「火の粉」第1話では、既にユースケ・サンタマリアが演じる主人公竹内の性格の詳細が伝わってくる。何となく裏がありそうな、そして奇妙さがユースケ・サンタマリアの口を大げさに使う話し方で、よく演出されている。そしてそれと同時にバームクーヘンが、このドラマでの人間関係を結ぶ小道具だ。ユースケ・サンタマリアが自ら作るバームクーヘンがこのドラマで意味することとは?
バームクーヘン専用器具
竹内はバームクーヘンを作るためだけの専用器具を持っている。
友陣は料理もするし、お菓子作りも好きだが、バームクーヘンのあの器具は見たことがなかった。
これを見ていると、近所の大型スーパーで、ローストチキンやローストポークを作るため、チキンまるごと串に刺し、それをクルクル回しながら(あるいは自動で回る)バーナーの火の上で少しずつローストしていく。それを思い出した。原理は同じである。
そしてこのバームクーヘン専用器具は、主人公がいかに一つのことに深入りするかを象徴しているのではないだろうか。普通に使うフライパンで作ることが出来る。つまり竹内の普通でなさを表している。
スイーツであること
バームクーヘンはスイーツ、焼き菓子である。当然甘い。この”甘い”ということがキーだ。思うに甘い誘惑を意味していて、竹内のお節介であるが親切に、姑の介護といびりに悩む尋恵は、ホロッとくる。彼女にとっては、それはバームクーヘンのように”甘い”のだ。
そして尋恵の孫にあたる5歳のまどかも、その甘いバームクーヘンが仲介して、竹内と仲良くなっている。
バームクーヘン作りで舞う火の粉
このドラマのタイトルにもなっている火の粉。竹内がバームクーヘンを作っている最中、バーナーから火の粉が舞う。この火の粉はこれからの物語の展開を示唆するのだろうが、ドラマのタイトルでさえ、バームクーヘンから発生する。
最後に
バームクーヘンが、今後のドラマ展開で、どのようにポイントとなっていくのか楽しみである。しかしこの焼き菓子の”甘さ”は、きっと視聴者も虜にしていく?
バームクーヘンは第2話にも登場する。