「僕らの明日~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」という、厚生労働省が制作した働き方を支援するアニメ動画があります。
これがフリーターに対する偏見か実態かと、論議を呼んでいます。
このフリーターアニメ動画と共に、ネタバレあらすじと感想、そしてみんなの評価をまとめました。
みなさんは、アニメ動画「僕らの明日~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」をどう思いますか?
フリーターアニメ動画とあらすじ
さて厚生労働省が制作した「僕らの明日~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」という16分のアニメ動画は、若い世代のフリーターを支援する内容です。
島本拓海(22): 大学中退し現在はコンビニでアルバイトをしている。
吉村あやか(22): 拓海の高校の時の同級生。大学卒業を控え、就職先が見つからない。
森崎祐介(24): 拓海の大学時代の先輩。大学卒業後フリーターだったが、最近正社員に。
吉島(漢字が間違っているかも): 拓海の大学時代の先輩。元映画研究会の部長で、現在はアルバイトをしながら映画監督の夢を追っている。
あやかの姉(おそらく24): やり甲斐を持って、仕事に励んでいる。
主人公の島本拓海22歳は、2年前、大学2年生のとき退学して以来、コンビニでアルバイト生活をしています。大学を辞めると決心した頃は、やりたいことを見つけるんだと意気込んでいましたが、今、同級生が就職し始めると、現在の自分に不安を抱くようになり、コンビニのバイトもやる気無く働いています。
そんな中、高校の同級生吉村あやかと出くわします。高校卒業以来の再会です。あやかもまた大学卒業を控えて、就職先が決まっていません。
二人は、あやかの姉の彼氏、森崎祐介と話をします。森崎24歳は、拓海の大学の先輩で、大学卒業後フリーターでしたが、最近正社員になったということで、あやかの就職についての相談にのってあげていたのでした。
あやかがその日帰宅後、就職は無理だろうと、アルバイトの方がむしろ気楽でいいかもと考えていると、お姉ちゃんが、
「自分は、今の仕事にやり甲斐をもっている。第一志望の会社ではないが、入った会社で何がやりたいかが大事。面白そうだからとかやりたいことだからではなく、安定とか将来的なことも考えた方が良い」と助言します。
あやかは、将来的なことか・・・、と悩みます。
一方拓海は、森崎祐介から届いた、企業から見たフリーターの評価についてのメールを見て、改めて正社員とフリーターは、将来的にこんなに違ってくるのかと思い知らされ、将来像を思い描きます。
- 23歳
正社員:「初のボーナス!」
コンビ二フリーター:「今月休んだから、給料が少し少ないな」 - 30歳
正社員:「係長に昇進したぞ。忙しいけどやりがいも出てきた」
コンビ二フリーター:「新しい店長が俺より年下?ショック」 - 40歳
正社員:「部長に昇進。部下も増え、仕事も充実」
コンビ二フリーター:「もう40歳、そろそろ落ち着こうかな。でも就職先中々見つからないな」 - 60歳
正社員:「会社を定年退職。第二の人生を計画中」
清掃員:「高校生のアルバイトと、時給が100円しか変わらない」
これじゃダメだと焦る拓海は、コンビニの仕事も手につきません。
拓海は、自主映画を製作したりと、自分の夢に向かって頑張っている吉島先輩に出くわします。
昼は引越し業で、夜は居酒屋でアルバイトをしながら、映画監督になる夢を追っている吉島先輩。
拓海は吉島先輩が働く居酒屋へ行くと、元気に接客をしている吉島の姿が。
なぜアルバイトなのにそんなに頑張るのかと拓海が尋ねると、「アルバイトだろうが仕事は仕事。そういうところをおそろかにしていると、いい映画は撮れない」という吉島。拓海はその言葉に奮起され、森崎先輩に相談に乗ってほしいと連絡します。
森崎先輩との待ち合わせ場所には、あやかの姿もありました。
森崎は自分の経験も交えて、拓海やあやかに話始めます。
大学卒業後、大学院への進学を希望していた森崎ですが進学できず、そのままアルバイト生活になってしまったそう。しかし就職しようと思ったきっかけは、あやかの姉との出会いで、彼女が仕事に頑張る姿を見て、自分もと思ったそうです。そして結婚も視野に入れ始めた頃、やはり定職者の方が結婚に有利ということで、ハローワークに出向いて就職活動を始めたとか。ハローワークといっても「わかものハローワーク」という所へ出向き、そこで様々な支援を受けたことを、たくみやあやかに話します。そしてあやかのような新卒者には、「新卒応援ハローワーク」があることも、説明します。
最後は希望を胸に、たくみは「わかものハローワーク」へ、あやかは「新卒応援ハローワーク」へ行く、というシーンで終わります。
やっぱり偏見?
このアニメを見て、やはり見方が一方的なのでは?と思いました。
何だか戦後の経済が右肩上がりで、誰もが生活が豊になるのを実感できた時代なら、これで良かったと思います。
終身雇用、年功序列が約束されていたわけで。
しかし今はいつリストラされるのか、いつ働いていた会社が潰れるのか、またせっかく就いた会社がブラックだったり。
昇進しても、待っていたのは責任と長時間労働だったり、また職場でのいじめなどで、うつ病患者は激増しています。
定職に就けば将来安泰なんて、一体いつの話でしょう。
生きる為に働くのであって、働く為に生きるのではありません。
フリーターで働いていて、30歳、40歳になっても、正社員として働けるような社会、セカンドチャンスがどの年代の人にもあることが大切なのではないでしょうか。
年齢という要素で、就職できるかどうかが決まってしまう日本の社会は、残念だと思います。
みんなの意見は?
さて「僕らの明日~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」に対するみんなの評価はどうでしょうか。
「正社員になった人がみんな充実してるわけじゃない」
「お役所には正社員もフリーターも、どっちの気持ちもわかるはずが無い」
「日本は新卒風潮が強くて、大学出る頃に状況が悪いと、それで詰んでしまうのを変えるべきだと思います」
「社会に出てわかったのは名ばかりの正社員が思ったより多かった事。
退職金がない、国民年金」
「実際には正社員も将来は保証されていない」
思わず、そうだよねと納得してしまう意見が多かったです。みなさん鋭い視点をお持ちですね。
最後に
日本は人口減少により、働き手が少なくなって、超高齢化が近い将来待っています。ただでさえ少なくなっていく働き手に、フリーターでいてもらっては困るのが、お役所の本音なのでは?と思いました。
働き方について、いろいろ考えさせられただけでも、このアニメ動画は意味があったのではないでしょうか。
以上、厚生労働省のアニメ動画「僕らの明日~フリーターの現状に関する若者への周知・広報事業~」について、あらすじと感想、みんなの意見をまとめました。