ヒストリア・ワーク

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アニシェアマニュアルが映し出す住居人の心の悩み

   

「ユアタイム」で取り上げられてアニシェア。アニメ好きが集まるシェアハウスです。そこの住居人は、出身地も年代も職業もバラバラ。しかしアニメが好きという共通点から縁あって、このアニシェアに住んでいるわけですが、共通の興味があっても、やはり共同生活にはルールが必要です。このアニシェアにもルールブックがあります。そこに書かれてある内容から、彼ら住居人の本当の気持ちが見えてきます。彼らがここに住む、本当の理由をもっと詳しく考えてみました。

アニシェアルール「悩み話してもOK」

東京都世田谷区にある一戸建て。そこがアニシェアです。運営者西村茂さんが、ここに越してくる住居人について、
「親が離婚していたり、コミュニケーションが上手くいっていなかった」
そういう人が多いと分析していました。

アニシェアについてもっと知りたい方は、「アニシェアの住居人の本音に思わず共感 ユアタイム」をご覧ください。

つまり、何かしら悩みをもっている人が集まるアニシェア。アニメが好きという理由だけではないようです。むしろ、
「アニメは単なるきっかけ。(人との)距離を縮めるツール」
と、アニシェアをレポートした市川さんも話していました。
そう、アニメとは、人と交わるための単なる手段に過ぎないのです。決して目的ではありません。

ですから、この「アニシェアマニュアル」と呼ばれるアニシェアルールブックにも、悩みを話してもよいという記述があります。
「不安や寂しさを補い、悩みや進路を相談し、知識や経験を共有し合い、心豊かな暮らしを目指します」
このことが意味するのは、やはりここに集まった住居人たちは、今まで心開いて悩みを相談する人が身近にいなかったのでしょう。

しかしさらにここから見えることは、本来身近な存在であるはずの、親、兄弟、友達、先生、地域の人々などとの関係が希薄だということ。
悩んだとき、身近で相談できる人がいないのは、とても残念であると同時に、自分自身を追い込んでしまう要因になるのではないでしょうか。

かと言って、悩んだときやっぱり誰かに救いを求めます。そんなときどうするか、ネットに頼ることになるのでしょう。
会ったこともない、画面を通してしか知らない相手に。その相手だった本当かどうか分かりませんが、そこで自分が救われるのなら、やはりそこに頼るしかありません。

でもやっぱり所詮はネット上の人間関係。フェイスツーフェイスで向き合う、本当の濃い人間関係を築くことはできません。
「自分は、そういうの苦手だから」
「そういうのが面倒だから、ネットがいいの」
そんな声が聞こえてきそうですが、本当にネット上の希薄な人間関係で心から満足している人は、このようなことは言いません。

満たされない何かがあるからこそ、こういったシェアハウスに越してくるのかなと思います。

アニシェアルール「原則として、ディスらない」

運営者の西村茂さんが話していた、コミュニケーションが上手くいっていなかった住居人。
しかしアニシェアに住むにあたって、本当の人とのコミュニケーションは、避けて通れません。
気に入らないことや、嫌なことがあれば、Xをクリックすれば消えるネットとは、わけが違います。

そこで、このルール「原則として、ディスらない」というのが、大切になってきます。
これは、相手が好きなアニメの悪口を言ってはいけない、侮辱してはいけないということです。

きっと、このアニシェアで、住居人たちは、何を言えば受け入れられて、何を言えばトラブルになったり、相手を気づけたりするのか。
足したり、引いたりして、本当の人間関係の築き方や、程よい距離の保ち方を学んでいるのだと思います。

市川さんも、アニシェアは住居人にとって、家庭と社会の通過点とコメントしていました。
的を得ていると思います。社会に飛び立つ前の、練習台のような準備段階のような。そういった場所。

ドロドロの濃〜〜〜〜〜〜〜い人間関係の中で生きてきた自分にとっては、そんなに問題ないことでも、そういう体験をしてこなかった人にとっては、挑戦なのでしょうね。
うまく社会に溶け込んで、人と現実の中で人間関係を築いていってほしいと思います。

つくづく考えさせられるアニシェアの特集でした。

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