「カレー南蛮」と聞いて、普通のカレーとどう違うの?と思われた人も多いでしょう。「解決スイッチ」の番組内では、東京の山と海の幸を使っていますが、もともとこのカレー南蛮は東京が始まり。あまり聞きなれないこのカレー南蛮の秘密と歴史をレポートします。
カレー南蛮と普通のカレーとカレーうどん
普通に私たちが食している、ご飯の上にかけて食べるカレーライス。カレー南蛮はもともと和風とカレーを合わせて作られたものです。カレーの和風といえばカレーうどんを思い浮かべます。和風のダシをきかせて作るカレーうどんは、スパイシーさはなく、日本人好みの上品な味。しかし、このカレー南蛮には、うどんではなくおそばと深い関わりがあるのです。
カレー南蛮の歴史
明治30年頃、そば屋さん向けの食材を販売するかたわらで軽便カレー粉の製造が始まりました。東京の四谷の杉大門通りにある蕎麦屋が、西洋風味のカレーと日本人好みの鴨南蛮そばを合わせて売り出したのが、カレー南蛮の始まりと伝えられています。カレー南蛮のもとは鴨南蛮だったわけですね。そしてうどんではなく蕎麦がからんでいたとは、驚きです。そして蕎麦つゆとカレー粉を合わせた物が、カレー南蛮となったのです。
しかし当時は中々受け入れてもらえませんでした。歴史のある食品蕎麦ですから、そんな新しいものを簡単にOKしてくれる蕎麦屋は数件しかありませんでした。歴史や伝統って、こういうとき邪魔ですね。それでも受け入れてくれる人もいたわけですから、良かったです。
日の出は昭和初期
時代は少しずつ変わり、西洋のものも受け入れられるようになって、このカレー南蛮も蕎麦屋に定着していきます。さらに店ごとにオリジナルのカレー南蛮が登場するなど、ここへ来てようやくカレー南蛮は市民権を得たのです。ここまで来るのに30年以上の年月が経っています。人が変わるのって時間がかかりますね。
昭和中期にカレーブーム!
家庭で簡単においしいカレーが作られるように、あのルーの開発が進み、またレトルトのカレーが登場したりなど、カレーはすっかり国民食になっていきます。カレー粉から作るより、ルーから作る方が簡単で、失敗がないですからね。
カレー南蛮の今
カレー南蛮の素が発売されていて、それを蕎麦つゆと合わせて作ります。具は蕎麦やネギなど。もちろんオリジナルのカレー粉を使って作ってもおいしいでしょう。
最後に
普段食べているカレー。実はとっても興味深い歴史があり、多くの人たちの苦労や時代の波や、そんなことを考えながら、今夜はカレーにします。