東京アニメワールド2016が、多くの作品が未審査となったまま最終日を終えて、終了してしまいました。結局誰が一番でとか言う前に、審査すらされていない数々の作品。このトラブルによる一番の被害者は作品を製作した多くの人たちだと思います。そんな中、そのトラブルの渦中の人物、江口美都絵の言動をまとめてみました。江口美都絵と東京アニメーワールドの茶番劇の原因が見えてきます。
まず今回のトラブルの発端と大まかな流れをご説明します。東京都も5000万円も出資したイベントだっただけに、この痛手は本当に大きいです。
1. まず東京アニメワールド2016を運営することにおいて、内部で対立が起こります。
2. このイベント業務を委託されていた江口美都絵氏を含むディレクター陣が、主催者側である日本動画協会に解任されてします。
3. しかしこの処置不服とし、ディレクター陣は無視して業務を続行するのです。
4. そうこうしている内に、数百もの応募作品がディレクター陣に渡ってしまいます。
5. 主催者側はこれでは審査できないと訴訟を起こしました。
6. 結局そのままの状態で東京アニメワールド2016が開催予定日を向かえてしまいました。
7. そして357の作品が審査されないまま、日程を終えてしまったのです。
渦中の江口美都絵氏は、今年の1月下旬の時点で、「私は解任されたとは思っていません。現在も業務を進めています。それ以上の発言は、弁護士に止められていますので……」と電話で語っています。よっぽど主催者側の解任を不服に思っているのが分かります。しかしそれもそのはず、その解任理由ははっきりされておらず、分かっている理由としては、”江口さんが、毎日秋葉原の動画協会事務所に顔を出さないから”というなんとも腑に落ちないものなのです。
とにかく一番の問題はなんといっても未審査作品が357もあるということ。これはどうしてこうなったかというと、東京アニメワールドフェスティバルへの作品を応募するには、ショートフィルムデポット(SFDという国際的に実績も信用もある団体を通じて行われていました。このSFDとの連絡係が江口美都絵氏だったわけです。SDFは江口美都絵氏に信頼をおいていましたので、応募作品を東京アニメワールド2016主催者である日本動画協会に渡さなかったのです。日本動画協会の失礼なことに対して不信感を抱いていたことも、SDFがこの協会に作品を渡さなかった理由の一つです。応募作品が主催者に渡らない。つまり審査されない状況はこうして作られたのです。
江口美都絵氏は突然の解任理由を、「日本動画協会の不手際を指摘したことがきっかけとなった一方的な解任」として、到底受け入れられないと真っ向から対決しています。
お互いがお互いの首を締め合うような展開ですが、この東京アニメワールドフェスティバルは国際的にも評価されているアニメフェスティバルで、昨年度の短篇グランプリ作品が、今年のアカデミー賞にもノミネートされるほどです。このアニメフェスティバルでの評価は、次の大きなステップにつながるわけで、作品を応募した人たちにとっては、本当に迷惑な茶番劇としかいいようがなく、このイベントの意義や国際的信頼性を失い兼ねません。主催者とディレクター陣のどちらがどうとかの前に、この国際イベントに関わる全ての人たちは、アニメ界への貢献、作品製作者への敬意、そういったイベントの本質的なことを忘れないでほしいものです。