トランプ氏がアメリカ大統領選で勝利し、まさか当選するとは誰が予想したでしょうか。
メディアや世論調査でも常にヒラリー・クリントン氏がリードしていましたが、トランプ氏の勝因は、いわゆる隠れトランプ支持層、つまり田舎の白人層でした。
トランプ氏アメリカ大統領選が勝利した理由をまとめました。
トランプアメリカ大統領誕生
11月8日の一般投票はもつれにもつれ、結果が判明したのは日付が変わった翌日でした。前回の2012年の大統領選では、一般投票日の日本時間昼1時半頃には結果が判明したので、今回は接戦がよそうされましたが、まさか深夜2時まで確定しないとは思いませんでした。
11月8日の投票日の朝までは、誰もが今日女性大統領が誕生すると、誰もが思ったことでしょう。
しかし夜、開票が始まり、予想を反して終始トランプ氏が優勢でした。鍵を握る、オハイオ州、フロリダ州などを次々と制し、伝統的にクリントン氏が属する民主党を支持の州さえ、トランプ氏を支持。
ついにはトランプ氏が、アメリカ大統領選を勝利したのでした。
開票速報を中継するテレビは、このまさかの結果に驚きを隠せない様子でした。大きなテレビ局は大抵大都市にあるので、大都市の人は大抵クリントン支持なので、おそらくテレビで中継をしていた人たちは、ショックだったと思います。
私も意外過ぎる結果に、ショックでした。
なぜトランプ氏は当選したの?
多くのメディアはクリントンを支持していましたし、世論調査ではクリントン氏がリードしていました。一般投票日を間近に控えた10月下旬、FBIがクリントン氏の公用メールを私的に使用した問題で、あらたに調査に乗り出したとき、トランプ氏が猛追しましたが、それでもクリントン氏が勝利するだろうとの見方が大半でした。
しかし蓋を開けてみると、まさかのトランプ氏勝利。しかも開票から常に優勢状態でした。
ではなぜクリントン氏にリードされていたトランプ氏は、アメリカ大統領選挙に当選したのでしょう。
勝因理由1: クリントン阻止
トランプ氏に投票した人たちは、必ずしもトランプ氏の考えに賛同したとか、人柄が好き、とか、そういうわけではありません。つまりトランプ氏を支持しているわけではない。
しかしだからといって、クリントン氏が大統領になるのはどうしても避けたい。理由はクリントン氏が嫌いだから。
そしてこれもまた、別にクリントン氏が掲げる政策に賛成できないという理由でもありません。本当に、単にクリントン氏が嫌いだから。
敵の敵は味方、といったところか、消去法というか。
勝因理由2: 田舎の白人層
今回トランプ氏に投票した人、クリントン氏に投票した人を、地域別に見ると、
都市部はクリントン氏
田舎はトランプ氏
と、きれいに分かれています。
例えばカルフォルニア州は、伝統的に民主党が勝利する州ですが、この州をさらに細かく分析すると、ロスやサンディエゴなど、大都市の密集する南部はクリントン派、比較的人口の少ない北部はトランプ派と、はっきり分かれています。
そして田舎に住む人たちは保守系の白人が多いので、結果そういう人たちが、トランプ氏に投票した、というわけ。
世論調査って、やはりある程度人口のある市で行われることが多いと思うんです。そうなると田舎に住む白人らの声は反映されにくい。
ですから今回の大統領選でトランプ氏に投票した人たちは、隠れトランプ派として、表に出ていなかった。世論調査で、数として反映されていなかった、と言えます。
勝因理由3: 田舎の白人層に届いた
ではなぜ、田舎の白人層をトランプ氏はうまく取り入れることができたのでしょう。
基本的に田舎の白人層は保守派が多く、元々トランプ氏が属する共和党支持者が多いです。
そんな田舎の白人層の敵、白人でないオバマ氏が過去8年間もアメリカ大統領でした。
田舎の白人層にとっては、白人でない人に自分の国が奪われた、という感があったのです。
白人でない人が、自分の国を支配している。
極端に言えば、アメリカ人でない人が自分の国、アメリカを支配している、と感じていた。
で、トランプ氏は選挙キャンペーンで、「アメリカを自分たちの手に戻そう」とメッセージを送っていましたから、このフレーズは、田舎の白人にしっくり来たのでしょう。
アメリカを奪い返せ、と。
メッセージが届くべき人に、ちゃんと届いた。
ビジネスターゲットに、ちゃんと商品の良さが分かってもらえて、商品が売れた。ビジネスに例えたらそんな感じでしょうか。
そういった意味で、トランプ氏はさすがにビジネスで大成功を収めている人物だなと思います。
勝因理由4: 改革より回帰
オバマ氏が掲げた「change変化」改革といいますか。
その一つが医療保険の改革で、これがとても不評でした。まあ国民皆保険の精神が根付くのには、まだまだ何十年とかかると思います。
とにかく国民にとっては、何とかしてほしい分野で、むしろ改革前の方が良かった。
ですからオバマ氏と同じ民主党のクリントン氏に、オバマ氏路線で行かれるのは、もう止めてほしい。
オバマ路線は、もう十分と思われたのでしょう。
勝因理由5: 民主党支持者取り込み失敗
改革を好む人は、たいてい若い層が多いですよね。これは日本でも同じこと。改革を声高に叫ぶ選挙候補者の支持者は、若い人。
基本的に民主党支持者は、
- 若い人
- 人種的少数派(白人でない人)
こういった人たちの多くは、民主党を支持します。
前回の2012年、30代以下の投票者の37%が共和党候補者のロム二ー氏へ、残りはほぼオバマ氏へ投票しました。
しかし今回30代以下で、共和党のトランプ氏へ投票した割合は37%と、前回と同じだったのに対し、残りの10%はクリントン氏ではない他の候補者に投票しました。
これは何を意味するのかというと、クリントン氏を支持しない人は、トランプ氏に投票したのに、トランプ氏を支持しない人は、必ずしもクリントン氏に投票するわけではなかった。
これは、クリントン氏にとっては痛い。トランプ氏に有利に働きました。
勝因理由6: 女性票
クリントン阻止の項目でも書きましたが、クリントン氏が嫌いな女性ってとても多いんです。
「女性は女性が嫌い」
よく言われますが、その通りなのかなと、少し寂しく思います。
どういう女性がクリントン氏を支持したか、どういう女性がクリントン氏が嫌いなのかというと、杏主演の朝ドラ「ごちそうさん」に賛同できないタイプの女性は、クリントン氏に投票しました。
クリントン氏が女性だからといって、女性票が集まったかというとそういうわけではなく、これはクリントン氏の大きな敗因の一つです。
トランプ氏がどんなに女性を侮辱するような発言をしても、セクハラ行為をしても、「本当はそんなに悪い人じゃないのよ」ということなのでしょうか。
酒癖が悪く、酔うと暴力を振るう夫を持つ妻が、「お酒さえ入らなければ、根はいい人なの」という感覚と同じなのでしょうか。
男性であるトランプ氏が、女性票をしっかり獲得できたのは、大きな勝因です。
一番の勝因理由はシステム
投票日から時間が経ち、全ての州で99%以上の開票率となりました。
するとなんと総得票数では、クリントン氏がトランプ氏を上回っているのではないですか。
クリントン氏 60,467,601
トランプ氏 60,072,551
選挙人というシステムのおかげで、トランプ氏は勝利したのです。米大統領選挙の仕組みが、トランプ氏を勝たせた。
「選挙人て何?簡単に分かる!アメリカ大統領選の仕組みを図解で解説」
クリントン氏を米大統領として選んだアメリカ国民は、トランプ氏を上回ったのでした。
選挙人なんていうシステムではなく、純粋に多数決で選挙が行われていたら、クリントン氏の勝利だったのでした。
最後に
さてこれから4年間、アメリカ大統領はトランプ氏です。
日本にどういう影響があるのか心配ですね。
ただ、どんなに周りが評価していようと、どんな状況でも、勝つことに執念を持って諦めなければ、必ず道は開けるんだなと、今回のトランプ氏のアメリカ大統領選を見ていて学びました。
以上、トランプ氏はなぜ米大統領に当選した?勝因理由は田舎の白人層、という話題でした。
選挙人て何?アメリカ大統領選の仕組み
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