フィギュアスケートグランプリシリーズ最終戦、日本大会(NHK杯)2016の女子シングルフリープログラムが、26日に札幌市で行われました。
優勝はロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手でした。宮原知子選手がマリア・ソツコワ選手を逆転し2位。樋口新葉選手は表彰台ならずで4位。松田悠良選手は7位でした。
動画と共に、NHK杯2016の女子シングルフリープログラムを総評しました。
GPSNHK杯2016 女子フリー結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | アンナ・ポゴリラヤ(ロシア) | 68.62 | 68.62 | 70.68 |
2 | 宮原知子 | 133.80 | 64.64 | 69.16 |
3 | マリア・ソツコワ(ロシア) | 125.92 | 58.83 | 67.09 |
4 | 樋口新葉 | 122.81 | 61.62 | 61.19 |
5 | カレン・チェン(アメリカ) | 119.69 | 60.31 | 59.38 |
6 | エリザヴェート・トゥルシンバエワ(カザフスタン) | 119.45 | 60.80 | 59.65 |
7 | 松田悠良 | 117.28 | 57.15 | 60.13 |
8 | 長洲未来(アメリカ) | 116.84 | 55.71 | 61.13 |
9 | チェ・ダビン(韓国) | 114.57 | 61.93 | 52.64 |
10 | ニコル・ライチョヴァー(スロバキア) | 106.27 | 52.23 | 54.04 |
11 | アレーヌ・シャルトラン(カナダ) | 101.50 | 43.53 | 57.97 |
女子総合結果
- アンナ・ポゴリラヤ(ロシア) 210.86
- 宮原知子 198.00
- マリア・ソツコワ(ロシア) 195.88
- 樋口新葉 185.39
- 長洲未来(アメリカ) 180.33
- カレン・チェン(アメリカ) 178.45
- 松田悠良 178.26
- チェ・ダビン(韓国) 165.63
- アレーヌ・シャルトラン(カナダ) 160.22
- エリザヴェート・トゥルシンバエワ(カザフスタン) 175.11
- ニコル・ライチョヴァー(スロバキア) 159.70
女子フリー総評と動画
ショートを2位で終えた、ロシアのマリア・ソツコワ選手。3回転ルッツ+3回転トーループと、演技後半の3回転フリップ+シングルループ+3回転サルコウという、とても難しいコンビネーションジャンプを入れて、高得点を狙えるプログラムでした。しかし回転不足やダウングレード判定され、技術展はいまいち点が伸びませんでしたね。
3回転フリップ+シングルループ+3回転サルコウのコンビネーションは、これら3つ全てのジャンプが回転不足ととられました。シングルループさえ回転不足。なので3回転+2回転のコンビネーションジャンプ程度の基礎点しかもらえず、しかもそこから減点で、結局6.62点にしかなりませんでした。
続く3回転ルッツはダウングレードに。つまり2回転ルッツ扱い。そこからマイナス評価。
演技後半のジャンプに課題がありました。
前半のジャンプ、3回転フリップは加点が1.10点つくなど、質の良いジャンプを跳ぶことができるソツコワ選手ですし、本人も練習では回転不足にはならないと言っています。膝を柔らかく使って着氷するジャンプ。後半明らかにジャンプの質が落ちているのが分かるので、スタミナや体力が課題ですね。
ソツコワ選手は身長170センチと、女子のフィギュアスケーターとしてはとても高いです。なので氷の上に立つだけで、とても存在感あります。このフリーのプログラムでは、まだあどけないソツコワ選手にピンクの衣装がよく似合っていますよね。とても軽やかな滑り。
今シーズンシニアデビューで、既に演技構成点は67.09点も出しています。演技がまだジュニア明けという感じで、ここまで演技構成点が出るのはちょっと不思議です。ソツコワ選手、今後が楽しみな選手ですね。
優勝はアンナ・ポゴリラヤ選手。危なげない安定した演技でしたね。スピードがあって、それに哀愁漂う曲って、ポゴちゃんにぴったり。
最後の2回転半ジャンプが詰まった以外はミスらしいミスはありませんでした。ただ3回転フリップジャンプでエッジエラーeマーク。ルッツジャンプは、エッジが肉眼ではっきり分かるくらいアウトエッジなのですけどね。きれいにエッジがアウトになってる、ってテレビで見てて分かる。しかしその分フリップは難しいのでしょうね。
ポゴちゃんもソツコワ選手同様、演技前半と後半に3回転からの連続ジャンプを入れています。3回転ルッツ+3回転トーループ、3回転ルッツ+シングルループ+3回転サルコウ。気になったのは、そんな高難度の構成になっているのに、技術点が68.62点で、70点を超えていません。ステップの評価点は1.80点もついていますが、ジャンプやスピンではあまり評価点が高くないのです。
一つ一つの技の完成度を高めることが、得点アップにつながるのでしょうね。
表現力は、大人の演技ですよね。膝を深く使って、スピードと躍動感、そしてポゴちゃんの力強い滑りで、すっかり魅了されてしまいました。
宮原知子選手は、ショートではミスをして悔しかったということでしたが、この日は大きなミスはありませんでした。やはり回転不足はとられてしまいましたね。
一番大きな得点源である3回転ルッツ+3回転トーループ。二つ目のジャンプで回転不足をとられ、基礎点が10.30から9.00に下がった上に、マイナス評価。8.40点しか稼げず、続く3回転フリップでは回転不足をとられた上に、エッジが微妙で!マークが。基礎点は下がりマイナス評価になってしまいました。前半のジャンプで得点を稼ぎきることができなかったのは、ちょっと痛かったですね。
後半は3回転ルッツからのコンビネーションジャンプで、回転不足。しかしその後のジャンプは全てきちっと決めて、加点ももらっていました。
宮原知子選手のスピンは定評があり、宮原知子選手にとって点の稼ぎどころです。ビールマンスピンは回転が速く、見どころですよね。
演技構成点も、69.16点と、ポゴリラヤ選手の70.68点に大きく離されなかったことも、宮原知子選手が逆転2位になれた要因でしょうね。
個人的に、とても応援していた樋口新葉選手。フランス大会のフリーのときより、演技が縮こまった感じで、いつものスピード溢れて大胆な演技が魅力の樋口新葉選手らしさが見られませんでしたね。
インタビュー動画
宮原知子選手、グランプリファイナル進出おめでとうございます。
インタビューではギリギリでファイナルに行くことができた、と話していましたが、ギリギリかどうかはファイナルでは関係ありません。ファイナルでの活躍、期待しています。
ポゴちゃんはインタビューでとても嬉しそうに、日本語で「有難う」と日本の観客への感謝を述べていました。見ていてとても好感が持てましたね。ああいうふうに言ってくれると、日本人としてはとても嬉しい。
以上、フィギュアスケートグランプリNHK杯女子フリーの結果と評価でした。
女子ショートの結果
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男子シングルの結果
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テレビ放送予定
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