韓国のフィギュアスケート界に大望の新星が現れました!バンクーバーオリンピック金メダリストのあのキム・ヨナ選手も絶賛し、キム・ヨナ二世との呼び名が高い、ユ・ヨン選手です。きっかけは今年1月に行われた韓国の全国選手権を史上最年少で制したことで、キム・ヨナ選手でさえ、あの年齢のころの自分より上手と絶賛するほです。これで韓国のフィギュアスケート界も一気に熱くなるでしょう。期待の集まるユ・ヨン選手とは、一体どんなフィギュアスケーターなのでしょうか。今現在で分かっていること、そして友陣の視点から見た将来像をスバリ、予想したいと思います。
キム・ヨナ選手より凄い、11歳での全国大会優勝
ユ・ヨナ選手はわずか11歳で韓国の全国選手権を制覇し、キム・ヨナ選手のもつ最年少記録(12歳で優勝)をぬりかえました。既にキム・ヨナ越え、ということで、注目されるのも無理ないでしょう。11歳といえばジュニアより下のノービスの選手です。日本だったらノービスBから上がったばかりのノービスAに属します。このノービスAのクラスで全日本ノービス選手権で上位に入ると、全日本ジュニア選手権への出場資格を得ることができます。しかしこの大会で上位に入っても、ノービスの選手はジュニアのまた上のシニアの全国大会には出られません。ですからお隣韓国ではまた違ったシステムなのでしょう。しかし例外もあって、最近では浅田真央選手がノービスAの2年目12歳のとき、特別推薦でシニアの全日本選手権に出場しています。そこでトリプルアクセル(ちょっと回転不足)を決め、会場をあっといわせました。
話をユ・ヨナ選手に戻して、11歳の彼女がシニアレベルで優勝することがどれだけ凄いことなのか、お分かりいただけたでしょうか。キム・ヨナ選手が抜けた後でも、グランプリシリーズや4大陸選手権に出場するような韓国の選手はいます。そんなシニアで活躍するお姉さんたちを抑えての優勝ですから、ユ・ヨナ選手が大きく期待されるのも無理ないでしょう。
夢はやっぱり世界
ユ・ヨナ選手はとても頑張りやさんで、一日に6時間にも及ぶ猛練習を重ねているそうです。まだ小学生のユ・ヨナ選手は、勉強もしなければいけませんし、お友達とも遊びたい年頃でしょう。自分の時間も欲しいはず。しかし世界を視野に入れているユ・ヨナ選手は、既にそういった時間が持てないことを覚悟しているのだそうです。しっかりしていますね。やはり世界を目指すには、子供ではいられないのでしょうか。もう腹の座っている本人に大して、ユ・ヨナ選手の母親の方が、普通の子供の生活ができないことを不憫に思っているのだとか。
技術的にはどうなの?
この年齢で既にルッツ+トーループの高何度2連続3回転のジャンプをマスターしています。ダイナミックなジャンプ、というわけではありませんが、体が小さい分ローテーションの速いジャンプをクルクルと回っています。ふわっと上がって空中で回って下りる、そんなジャンプです。スピードや幅が出ればもっと加点がつくでしょう。他にも宮原知子選手がフリーに2度入れている、ダブルアクセル+トリプルトーループジャンプも跳べるし、今はトリプルアクセルも練習中なのだとか。最近では世界ジュニア選手権で優勝した、本田選手もこのジャンプを練習すると言っていましたね。3+3が跳べる選手の次なる目標なのでしょうか。
ズバリ将来は?
今この年齢で技術的には素晴らしいと思います。スピンもキレがあるとは言えませんが、軸は動かず、あとはやはりキレか?というところです。ジャンプも加点がつくように修正する余地は十分にあります。伸びしろが大きい分、将来が楽しみになってきます。ただ表現力は、まだノービスからジュニアに手が届くかといったレベルで、見ていてうっとりということはないです。ユ・ヨナ選手がどれだけ表現力に力を入れているかは分かりませんが、11歳ですからこんなもんかなという気はします。以前テレビで八木沼純子が「踊り心がある選手が伸びる」と言っていました。そういった意味では、ユ・ヨナ選手はまだ一つ一つの動きをこなすのに精一杯といったレベルで、全体の流れの中の一部というふうには見えません。もちろんこの年齢の子供に表現力を高く期待するのは酷なことでしょうが、この年代のロシアの選手は既に素晴らしい表現力を身につけています。ユ・ヨナ選手が今後どれだけ表現力を伸ばせるのかが、今後どれだけ世界で活躍するための一つの課題であることは、間違いないでしょう。もちろん11歳の時点で、決して悪くはない表現力ですが。
最後に
ユ・ヨナ選手の憧れの選手はやっぱりキム・ヨナ選手です。当たり前です。キム・ヨナ選手の活躍を見て、自分もフィギュアスケーターになると思ったのだとか。フィギュアスケートに初めて触れたのは、5歳のころシンガポールで。まだ11歳のキム・ヨナ選手は、ジュニアでビューまでもう1年あります。残念ながら年齢制限で、自国開催のピョンチャンオリンピックには出場できませんが、その次の五輪ではきっと韓国代表になることは間違いないでしょう。今後の活躍が楽しみですね。