ネイサンチェン超高難度4回転2つ[動画]GPフランス2016男子SP結果

November 12, 2016

フィギュアスケートグランプリシリーズ第4戦、フランス大会（フランス杯）2016の男子シングルショートプログラムが、11日にパリで行われました。

首位に立ったのは現世界王者のハビエル・フェルナンデス選手でしたが、2位のアメリカのネイサン・チェン選手、なんと4回転ルッツとフリップの超高難度ジャンプ2種類両方を成功させるという偉業を成し遂げました。

日本から唯一の出場となった無良崇人選手は、78.38点で6位です。

動画と共に、フランス杯2016の男子シングルショートプログラムを総評しました。

GPフランス大会2016 男子ショート結果

順位	選手名	総合得点	技術点	演技構成点
1	ハビエル・フェルナンデス（スペイン）	96.57	51.68	45.89
2	ネイサン・チェン（アメリカ）	92.85	51.74	41.11
3	デニス・テン（カザフスタン）	89.21	47.40	41.81
4	アダム・リッポン（アメリカ）	85.25	43.33	41.92
5	Jorik Hendrickx (ベルギー)	80.34	41.30	39.04
6	無良崇人	78.38	39.92	39.46
7	シャフィク・ベセギエ（フランス）	77.00	40.11	36.89
8	ミーシャ・ジー（ウズベキスタン）	72.49	35.32	38.17
9	ブレンダン・ケリー（オーストラリア）	70.67	35.67	36.00
10	イヴァン・リギーニ（イタリア）	68.42	31.32	37.10
11	アルトゥール・ドミトリエフ（ロシア）	64.48	29.45	35.03

男子ショート総評と動画

フィギュアスケートグランプリシリーズ2016も、遂に後半戦に入りましたね。

フランス大会がグランプリシリーズ2戦目という選手も多く、次第に調子を上げてきているような印象を受けました。

その中でもアメリカのネイサン・チェン選手が、ショートで4回転ルッツと4回転フリップという超高難度の4回転ジャンプを両方成功させました。

冒頭の4回転ルッツ＋3回転とーループだけで基礎点が17.90点、加点が1.57点ついて、合計19.47点。続く4回転フリップも成功させますが、惜しいのは演技後半のトリプルアクセルでした。3回転半の予定が2回転半に。やはり前半をとばし過ぎたのでしょうか。後半はややスピードに欠けて、後半失速した、という描写がぴったりでした。

表現力に関しては、ジュニアのレベルを脱しつつあるのかなという程度。体の使い方や動きが直線的で、見ている人を惹きつけず、一人で踊ってるという感じ。しかしネイサン・チェン選手はまだ17歳ですから、これから表現力を磨いていくのでしょうね。

ネイサン・チェン選手のショートの動画

無良崇人選手は冒頭の4回転とーループで転倒してしまい、予定していた3回転をつけることができませんでした。

しかしトリプルアクセルはさすがで、高さのある大きなジャンプは、加点も2点つきました。

後半のジャンプを2回転連続に急遽変更し、3回転ルッツ＋3回転トーループにしましたが、ステップアウト。

この日の無良崇人選手は、ステップで魅せてくれましたね。テレビ画面からも伝わるそのスピードと、メリハリのあるステップは、動き一つ一つが音楽と共に胸に突き刺さるようでした。会場からも歓声が上がっていましたよ。

でも全体的に調子が悪かった印象があり、最後のスピンは一つ一つのポジションが何となく雑に見えました。

ハビエル・フェルナンデス選手は王者の滑りらしく、冒頭の4回転トーループで転倒し、連続ジャンプにできませんでしたが、次の4回転サルコウに3回転トーループをつけたところが、さすがでした。最初の4回転トーループは、ものすごいスピードでジャンプに入り、体が動きをコントロールしていないように見えました。着氷の細、勢いがありすぎる分、体が後ろに傾いて転んでしまいました。

スピン、ステップと全てレベル4で、情熱的に踊るフェルナンデス選手にうっとり。

カザフスタン代表のデニス・テン選手。ソチ五輪で銅メダルに輝くも、それ以降はぱっとしませんでしたが、この日のショートは久しぶりに魅せてくれました。デニス・テン選手って、いつも高校生というイメージがありますが、もう23歳。滑りも大人の男性になってる。モロゾフコーチの元、そういう大人の男の滑り、色気みたいなものが身についたように見えました。