リオオリンピック女子レスリング58キロ級で、決勝戦の相手ロシアのワレリア・コブロワゾロボワ選手を残り5秒で破り、金メダルに輝いた伊調馨(いちょうかおり)選手は、五輪4連覇という偉業を成し遂げました。
女子では初ですが、男子では既に4人の選手が達成しているそうです。その4人とは誰か、調べました。
伊調馨、金メダルの戦い
1984年6月13日生まれ、現在32歳の伊調馨選手は、2004年のんアテネオリンピックから連続出場で、このリオオリンピックが4回目となります。
強い強い伊調馨選手は、これまでオリンピックで勝ち続け、負けなし。
連勝記録も凄くて、今年1月にロシアで行われたヤリギン国際大会の決勝で、モンゴルの選手に敗れるまで、実に13年間負けなし、189連勝でした。
リオオリンピックでも金メダルが確実視されていました。
勝って当たり前、金メダルの期待マックスの中、伊調馨選手はリオオリンピック女子レスリング58キロ級に出場。順調に決勝まで勝ち進み、危なげない試合運びを続けていました。
決勝戦の相手はで、まだ23歳のロシアのワレリア・コブロワゾロボワ選手。コブロワゾロボワ選手は準々決勝で、銅メダルに輝いたインドのサクシ・マリク選手を後半大量得点で逆転した、爆発力のある選手です。大人しそうな顔をしていて、伊調馨選手との決勝の直前は、泣きそうな表情でした。もちろん相手はあの伊調馨選手ですから、チャレンジャーとして挑んだのでしょうが、コブロワゾロボワ選手の不安そうな顔がとても印象的でした。
緊張しているのは伊調馨選手の方では?と思いました。経験は豊富といえど、オリンピックは他の大会とは違いますし、4連覇という記録がかかっています。期待度もマックス。もちろん経験が豊富な分、気持ちをコントロールする方法を得ているでしょうけど。
試合が始まってからは、伊調馨選手もコブロワゾロボワ選手も戦いの顔でしたが、コブロワゾロボワ選手の逃げ腰の姿勢に何度か指導が入りました。伊調馨選手の髪を掴む場面もあり、ひたすらディフェンスに回っていて、決勝戦らしからぬ試合運びをしているコブロワゾロボワ選手に、会場からはブーイングがあがることもありました。
しかし前半が終わるときはコブロワゾロボワ選手が1-2でリードしていた分、緊張がとれた表情でした。一方の伊調馨選手は落ち着いた様子で、試合は後半へ。
後半は中々ポイントが入りませんでしたが、1ポイント差ですから、伊調馨選手ならすぐひっくり返せると信じながらも、手に汗握る展開に。
残り時間わずかのとき、試合が動きました。伊調馨選手が必死でコブロワゾロボワ選手を抑え、ひっくり返せばサヨナラ勝ちなのですが、コブロワゾロボワ選手も必死で伊調馨選手の片足を掴みます。
オンライン中継で見ていましたが、解説者も「ひっくり返せば、ひっくり返せば」を繰り替えしていました。
そして最後の5秒、あったでしょうか、5秒以下だったかもしれません、レフリーの手が動き「あ、得点だ」と思わず口から出た瞬間、伊調馨選手の金メダルが決まりました。
伊調馨選手の前の、レスリングフリースタイル女子48kg級登坂絵莉選手の決勝戦でもそうでしたが、本当に最後の最後での逆転劇。心臓に悪かっです。
母親の遺影を胸に
決勝戦が終わって観客席に走った伊調馨選手に、女性の写真を渡す男性がいました。2014年に亡くなった伊調馨選手の母親の遺影だと思われます。伊調馨選手はその写真を渡されるやいなや、直ぐに胸に抱えました。そのシーンに、見ているこちらもジーンと来ました。
伊調馨選手は試合後のインタビューで、「内容があまりよくなかった」と反省点をあげながらも「最後はお母さんが助けてくれた」と、母親のことにふれていました。
益々ジーンと来ました。
伊調馨選手のお母さんの遺言が、死んでも勝て、ということだったそうで、伊調馨選手が五輪4連覇に輝いたことを、誰よりも喜んでいることでしょうね。
オリンピック4連覇を達成したのは誰?
伊調馨選手がオリンピック4連覇を達成し、個人種目の五輪4連覇は女性では初めての偉業だそうですが、男性では既に4人が成し遂げているそうです。
個人種目の夏季五輪4連覇
- パウル・エルブストローム(デンマーク)ヨット男子フィン級
1948年ロンドン
1952年ヘルシンキ
1956年メルボルン
1960年ローマ - アル・オーター(米国)陸上男子円盤投げ
1956年メルボルン
1960年ローマ
1964年東京
1968年メキシコシティ - カール・ルイス(米国)陸上男子走り幅跳び
1984年ロス
1988年ソウル
1992年バルセロナ
1996年アトランタ - マイケル・フェルプス(米国)競泳男子200m個人メドレー
2004年アテネ
2008年北京
2012年ロンドン
2016年リオ
競泳のマイケル・フェルプス選手が、このリオオリンピックで4連覇を達成していたとは驚きです。23個の金メダルをオリンピックで獲得していても、4連覇したのは200m個人メドレーの1種目のみなのですね。
4連覇ということが、いかに偉業かが分かりますね。
最後に
伊調馨選手の最後まで諦めない姿勢、そして最後の最後まで何が起こるか分からない、そんなことを今日の決勝戦で学んだ気がします。
伊調馨選手は今後どうするのか、引退なのか続行なのか明言を避けましたが、今は緊張から解き放されて、明日の女子レスリング、チームメイトの活躍を応援して、このリオオリンピックを満喫してほしいです。
以上、伊調馨選手がリオオリンピックで金メダル!五輪4連覇した他の4人は誰?という話題でした。