群馬県太田市臨時職員の伊藤正裕さん(23)が、フランスで開催されたゲームの世界大会「ギルティギア」で優勝し賞金300万円を獲得したという嘘をつき、ネットで炎上。
なんと朝日新聞と地元の上毛新聞までも、伊藤正裕さんが優勝したと誤報。その後記事は削除されるという事態に発展。
そもそも伊藤正裕さんって誰なのか、嘘をでっちあげるもバレてしまった伊藤正裕さんのfacebookや写真画像、またなぜ朝日新聞や上毛新聞までも騙されてしまったのか、詳細をまとめました。
伊藤正裕って誰?
今回新聞や職場までも巻き込んで嘘をでっち上げた、伊藤正裕さんとは誰なんでしょうか。
朝日新聞と上毛新聞の情報をまとめると、
年齢: 23歳
高校: 館林高卒
大学: 駿河台大(埼玉県)
職業: 群馬県太田市臨時職員、商業観光課(2015年4月より)
住居地: 群馬県太田市飯田町
ゲーム開始: 大学進学後
ゲージ時間: 一日4~6時間(学生時代)、一日1時間(現在)
成績: アメリカやヨーロッパにも遠征し、好成績を収める(←これは本当かどうか謎)
普通のゲームが好きな青年、という感じがします。
伊藤正裕さん本人も「ゲームはあくまでも趣味で、今の目標は臨時職員ではなく、公務員になること」と話しており、真面目な人のように見えます。
ついた嘘とは?
そんな真面目そうな伊藤正裕さんですが、とんでもない嘘をでっち上げました。
今月9月20日と21日にパリで開かれた国際的な格闘技ゲームの世界大会「ギルティギア」で優勝し、賞金300万円を獲得したと、嘘をついたんです。
そもそもこの「ギルティギア」とは、世界中に10万人以上の愛好家がいる対戦型格闘技ゲームだそうで、世界大会も実際に開かれているそうです。ただ開催時期は9月ではないようです。
そしてこの伊藤正裕さんのニュースは、朝日新聞と上毛新聞によって取り上げられました。どちらの新聞でも伊藤正裕さんの顔写真入りで、世界大会で優勝したという健闘を称えています。
まずそれらの記事によると、
- 伊藤正裕さんはオンライントーナメントで好成績を収めていたことから、その実力が評価され、今回の世界大会に招待されていた。
- この世界大会にはおよそ100人が参加し、伊藤正裕さんは優勝したことで、300万円の賞金と次の大会のシード権まで手に入れたと。
嘘がバレたフェイスブック
伊藤正裕さんの世界大会優勝が嘘だとバレたのは、伊藤正裕さんのフェイスブックからでした。
伊藤正裕さんのフェイスブックによると、ゲームの世界大会があったのは現地時間21日と22日のようです。
21日夕方には、「さーていっちょとってきますか。世界を」
22日お昼過ぎ、「獲りました。」
22日のお昼までには、世界大会は終了したようです。
さらに大会前、伊藤正裕さんは19日まではドイツにいたようで、18日にはフランクフルトを食べたり、19日にはフランスへ向かう為に乗る鉄道の写真がアップされています。
20日はパリ周辺を観光したときの画像と、レストランで食べた食事とアルコールの画像。その画像には「昼間っからアルコールを摂取させられる国ですここは」というコメントまで。
しかしこれがまずかった。
この食事の画像、実は2014年に全く別の人のブログに掲載された写真だったのです。
画像検索すれば、その画像の出元がすぐ分かります。自分で撮影したオリジナルの写真なのか、どこかから借りて(盗んで?)きたものなのか、調べることができるのです。
伊藤正裕さんのフェイスブックの他の画像も、どこかから借りてきた写真ばかりで、本人が撮ったオリジナルは一枚も無いとか。
伊藤正裕さんのフェイスブックへのリンクを貼っておきます。
オリジナルの写真が一枚も無いということから、伊藤正裕さんはヨーロッパには行かず、これらの日は日本にいたんでしょうね。おそらく群馬県太田市飯田町の実家に。
伊藤正裕さんのフェイスブックには「友達」が返信コメントしています。みんな伊藤正裕さんがヨーロッパに出かけて、世界大会へ出場することを応援していたり、優勝したことを喜んでいるようでした。
そういう友達の信頼も、裏切ったわけですね。
なぜ嘘を?なぜ新聞は騙された?
気になるのは2つ。
- 伊藤正裕さんはなぜ嘘をついたのでしょう。
- なぜ新聞まで巻き込む事態に発展したのでしょうか。
冒頭でも述べましたが、伊藤正裕さんはゲーム好きの、普通の人に見えます。子供の頃からゲーマーというわけではなく、大学進学してからということで、わりと大人になってからゲームを始めたそうです。そしてゲームは趣味で、臨時職員ではなく公務員になることが目標と、きちんと人生設計のできている青年に見えます。
ただフェイスブックにヨーロッパ旅行の様子を投稿したところを見ると、おそらく18〜22日くらいの間、仕事を休んでいたんだと思うんです。もちろん職場にはちゃんと休暇願いを提出して。
職場に休暇を申し出る際、理由を言う義務があるかどうかは分かりませんが、まあ何気ない会話として、何をするのか?ということは聞かれるでしょう。で、伊藤正裕さんはゲームの世界大会へ出場するためにヨーロッパへ旅行すると言ったのではないでしょうか。
フェイスブックの投稿も、アリバイ工作の為。
単にヨーロッパに旅行、ということにしておけばよかったのに、ゲームの世界大会に出場し、しかも優勝したという嘘の投稿までしたので、休暇が明けて職場で大会どうだったか聞かれて、優勝したと応えれば、そりゃこれは凄い!ということなるでしょう。市の職員である伊藤正裕さん。市としては、市に良い話題を提供できる機会です。こりゃ新聞会社に報告せな、ということになったのではないでしょうか。
こうやって、話はどんどん大きくなって、伊藤正裕さん本人も引き返せないところまで来てしまった。
嘘って雪だるま方式で、一度ついた小さな嘘は、それがバレないよう、さらに嘘をついて、やがてどんどん大きくなっていくんです。
伊藤正裕さんも、まさかここまで大きくなるとは思ってもみなかったでしょう。
そして世界に広がった
伊藤正裕さんのついた嘘は、日本に止まらず、なんとフランスでも報道されたとか。
そして「ギルティギア」の前回優勝者であり、ゲームの世界ではとても有名なAlioune(アリューン)も、
「Hey I won xrd at stunfest, where are the 30000 dollars?
優勝したんだけど、どこで3万ドルが貰えるの?」
とツイッターでつぶやいています。
こうやって、伊藤正裕さんのついた小さな(?)嘘は、日本を越えて、世界に広まったのでした。
最後に
群馬県太田市の臨時職員として働く、ごく普通の伊藤正裕さんの名前が、こうやって海外に広まっていくのを見ると、嘘ってやっぱりいけないなと痛感しますね。
現在朝日新聞は記事を黙って削除しましたが、上毛新聞は「記事の削除とおわびについて」と題して、きちんとおわびしています。このことは、伊藤正裕さんが世界大会で優勝し300万円獲得したというニュースは、事実無根だったと言える、何よりの証拠でしょう。
以上、群馬県太田市臨時職員伊藤正裕さんがゲーム世界大会で優勝、しかし嘘とバレたフェイスブック画像、なぜ新聞までも騙された?という話題でした。
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