男子バレー小田強化委員長が「山の中から2メートルを探そうというかけ声でやってきている」と身長2メートル級の大型選手育成に注力していることを話しました。しかし高ければそれだけで世界に通用するようになるのでしょうか。小田強化委員長のこの発言に違和感を覚えました。
高ければ勝つのか?
先日のリオ五輪最終予選でオーストラリアにストレートで負け、オリンピックへの道が絶たれ全日本男子バレー。
その結果を受けて、小田強化委員長が辞任することになりました。
小田強化委員長が2年前に就任して以来、
「山の中から2メートルを探そうというかけ声でやってきている」
と、大型選手育成に力を入れてきたことを話していました。
バレーボールは身長が高い方が有利かもしれませんが、それだけで勝てるスポーツかというと、そうでもありません。
竹下名セッターにみる実例
前回のロンドン五輪で銅メダルに輝いた日本女子バレーでは、10年以上日本を牽引してきた名セッター竹下さんが小柄だったことは有名です。
日本女子が五輪出場を果たせなかった2000年頃は、散々選手の大型化が叫ばれていて、159センチしかない竹下さんは正セッターの座から下ろされました。
しかし単純にメンバーを大きくすれば勝てるかというと、そうではありませんでした。
竹下さんが返り咲いて、真鍋監督になって、日本は世界の壁といわれるロシアに白星をあげています。
ロンドン五輪でも日本の平均身長は低かったです。それでも銅メダルを獲得しました。
ディフェンスの面、サーブ、ミスを少なくする、などの強化は功を奏したと思います。
強いキューバの象徴は175センチ
1980年代から2000年まで、キューバ女子はとても強かったです。
その中心メンバーだったのが、ルイス選手で、強いキューバの象徴です。
しかし彼女の身長は175センチしかなく、スパイカーとしては決して高い方とは言えません。
ちなみに175センチといえば、迫田選手と同じですね。
でもルイス選手はとにかくバネがありました。
最高到達点は女子では脅威の336センチです。
長岡選手の最高到達点が310センチです。
身体能力がとてつもなく、とんでもない高さから強力なスパイクを打つので、ルイス選手の身長が175センチしかないとは分かりませんでした。
今でも現役時代の彼女の映像を見ても、とても175センチしかないとは気づかないでしょう。
まとめ
このような実例から、身長をただ高くすれば世界に通用するわけではないと思います。
日本男子バレーで強化する面はたくさんあります。
リオ五輪に出場できなかったのは残念ですが、4年後の東京オリンピックでは、主催国枠で出られるはずですから、これからもっと頑張って欲しいですね。