第156回直木賞に恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が選ばれました。
今回の直木賞受賞で、恩田陸さんが女性だったと初めて知った人が続出しているようで、実は私もその一人。
ということで、恩田陸さんのwikiプロフィールを紹介すると同時に、直木賞受賞作品「蜜蜂と遠雷」のあらすじや感想・評価レビューをまとめました。ネタバレもちょっとありかも。
恩田陸のwikiプロフィール
第156回直木賞を受賞した作家、恩田陸さんは、本名を熊谷奈苗(くまがいななえ)といい、恩田陸はペンネームです。
本名からは、恩田陸さんが女性だとすぐ分かりますが、ペンネームでは男性の名前っぽいので、てっきり男性だと思っていました。
全然関係ないですが、知り合いで「りくちゃん」と呼ばれる人がいますが、そういえばその人は女性だったような・・・。
1964年10月25日、宮城県仙台市で生まれた恩田陸さんは、父親の仕事の関係で、幼少期は各地を転々としていたそうです。
早稲田大学教育学部在学中、ビッグバンドのハイソサエティー・オーケストラに所属し、アルト・サックスを演奏していたとか。
音楽と作家って、作品作りという点では同じですが、一つは右脳的作業でもう一つは左脳的作業のイメージがあり、何となく両立しないような気がするのは私だけでしょうか。
ですから恩田陸さんが音楽をしていたなんて、ちょっと意外でした。
大学卒業後、生命保険会社で働きますが、作家活動のため退社。
1991年、「六番目の小夜子」が第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となり、翌年刊行されて作家デビューを果たしました。
ちなみにペンネームは、『やっぱり猫が好き』の恩田三姉妹、そして生命保険会社に務めていたときの先輩の名字から来ているそうです。
「蜜蜂と遠雷」のネタバレあらすじ
「蜜蜂と遠雷」のあらすじを一言で言うなら、
「コンテストで優勝を目指しぶつかり合う、塵、亜夜、マサル、明石の4人のピアニストたちの青春小説」
です。
これだけで終わってしまうわけではありません。なんせ2段組みで5百ページ以上ある小説です。
以下アマゾンより引用、
舞台は芳ケ江(よしがえ)国際ピアノコンクール。3年ごとに開催され、6回目を迎えるこのコンクールは、優勝者が世界屈指のSコンクールでも優勝した実績があり、近年評価が高い。コンテスタント(演奏者)や審査員たちだけでなく、調律師やテレビの取材者など、さまざまな人間の生き方、考え方が交錯し、白熱する。
顔触れは華やか。ジュリアード音楽院の学生で19歳のマサル。天才と呼ばれたが、母の死後ピアノから遠ざかっていた20歳の栄伝(えいでん)亜夜。楽器店に勤める28歳の高島明石(あかし)。ことに人々の注目を集める少年、16歳の風間塵(じん)は、音楽教育をほぼ受けたことがない。ピアノも持っていない。養蜂を仕事とする親と移動生活をしている。えっ、養蜂? けれど、突拍子もない設定では、という疑問が入りこむ隙を与えないストーリーの運び方はさすが恩田陸だ。
塵は、いまはなき音楽家のホフマンから「ギフト」と称され、推薦された注目の若手。その推薦状が面白い。「甘い恩寵(おんちょう)」ではなく「劇薬」とも呼ばれるのだ。「彼を嫌悪し、憎悪し、拒絶する者もいるだろう」と。第一次、二次、三次、本選。2週間にわたるコンクールだ。曲はバッハの平均律に始まり、モーツァルト、リスト、ショパン、ブラームス、バルトーク、プロコフィエフなど。
手に汗握る審査発表、歓喜と落胆。だが、このコンクールに塵がもたらすものは、もっとスケールの大きな、音楽に対する愛情だ。「狭いところに閉じこめられている音楽を広いところに連れ出す」という塵の言葉は本作の要といえる。
「読めば京」で、かなり詳しいあらすじが掲載してあります。
ピアニストたちのぶつかり合う描写が素晴らしく、ピアノも国際コンクールにも縁が無い私でも、4人のピアニストたちのどれかに自分を当てはめながら、擬似体験してしまう。そこに長編小説ながらも引き込まれ、先へ先へ読んでしまう作品です。
「蜜蜂と遠雷」の感想評価レビュー
音楽を題材にしてあるので、最初は取っ付き難いかなと思いましたが、読み進めるとそんなことはないようで、読んでいてまるで音楽が聞こえてくるよう。
ピアノを演奏する人や、コンクールを目指したことがある人は、感情移入しやすかったでしょうね。
「凄い!圧巻の一冊。音楽を言葉で表現するのって無理があると思ってたけど、この作品では伝わってくる。
(略)興奮はなかなか冷めません。」
「本を読んで頭の中で映像にして、聴いたこともないクラッシックが頭の中で響いて。
本を読んでいるだけなのに自分が会場で塵たちのピアノを聴いてドキドキワクワクしているようで、もー、ずーーーっと高揚してる。」
「読んでいるとピアノの音が聞こえてくる。素晴らしい。」
「それぞれのキャラクター、それぞれの思い、想像しやすかった。」
「最初から最後まで同じようなことの繰り返しです。でもその繰り返しこそが心地よく感じる。これってまさに「音楽」ですよね。 見事なまでに「音楽」を「文学」で表現していて、いつまでもこの世界を「聴いていたい」と思わせる、なんとも心地よい作品でした。」
「ピアノコンクールという特殊な舞台に、クラッシックを知らない私はついていけるのか、たのしめるのか危惧しましたが、そんなことはまったく必要なく最初から話に引き込まれました。」
長編小説でも、最後まで読んでしまう、それゆえに高く評価される作品なのですね。
最後に
ピアノコンクールが舞台の「蜜蜂と遠雷」。やはり恩田陸さんが学生時代に音楽をしていたことと関係あるのでしょうかね。
以上、第156回直木賞は恩田陸著書「蜜蜂と遠雷」に決定!あらすじネタバレ、感想評価レビューでした。