リオオリンピック男子4x100mリレーで、ウサイン・ボルト率いるジャマイカが3連覇を達成すると同時に、日本が米国を破って銀メダルを獲得するという信じられない結果に!
この驚きの結果に海外の反応、特に日本に敗れた上に失格となってしまったアメリカの反応と、米国が失格になった理由を紹介します、そしてなぜ日本は勝つことができたのか、勝因も分析しました。
4x100mリレー決勝
4x100mリレーで、北京オリンピックとロンドンオリンピックで、それぞれ世界記録を出し優勝しているジャマイカ。その中心的存在がウサイン・ボルトです。そしてリオオリンピック4x100mリレーが、ウサイン・ボルトにとって最後のオリンピックでのレースです。
ジャマイカがロンドンオリンピックで打ち出した世界記録36秒84には及びませんでしたが、危なげないレース運びと、アンカーのウサイン・ボルトの世界一の走りで、オリンピック3連覇を達成しました。
日本は確実なバトン渡しと、アンカーのケンブリッジ飛鳥選手の驚異的な走りで、アメリカに0.02秒早くフィニッシュラインに入りました。ケンブリッジ飛鳥選手がゴールの直前に頭を前にした頭一個分、アメリカより速かったです。
特にアメリカは最後のバトンパスがもたついて、その分日本に分があった、ということです。4x100mリレーは0.01秒の遅れが、命取りになりますよね。
予選で打ち出したアジア記録より速く、またアジア新でレースを終えました。この37秒60という記録は、アジアだけでなく、ヨーロッパ記録やアフリカ記録より速いそうです。よほどすごいタイムであることが、お分かりいただけると思います。
4x100mなので、あっという間に終わりしたが、わずか40秒にも満たさない時間に、様々なドラマがありましたね。
アメリカ、なぜ失格に?
ジャマイカと日本の次にゴールしたアメリカで、銅メダルかと思われましたが、失格となってしまいました。繰り上げでカナダが銅メダルに決定。
アメリカの第2走者ジャスティン・ガトリンが第3走者タイソン・ゲイにバトンを渡すとき、バトンを渡すゾーンに入る前に渡してしまったということです。
つまり第2走者の足がバトンゾーンに入る前に、第3走者がバトンに触れてしまったのです。
普通は次の走者は、バトンゾーンの始まりのラインで待っていて、後方走者が近づくと徐々に走り出し、バトンゾーン内でバトンパスが行われます。しかしバトンパスを確実にしたかったのでしょうか、第3走者はガトリンが到着するまで動かないでじっと待っていて、バトンをしっかり受け取ってから走り出したのです。
レース直後に示された会場の掲示板には、アメリカは3位と表示されていました。アメリカの4人の走者たちも、国旗を持ち、銅メダリストとして、レース結果の公式決定を待っていました。
テレビでは既にアメリカの失格が報じられていましたが、会場にいる選手人たちにはまだ伝わっていなくて、見ていて気の毒でした。
失格と掲示板に表示され、アメリカの選手がそれを確認すると、すぐにトラックを去っていきました。
かつては4x100mリレーで負けなしだったアメリカでしたが、ジャマイカの台頭で、この種目の優勝は遠ざかっていました。
特に2012年のロンドンオリンピックでは、バトンの受け渡しの際、バトンを落としてしまうという大失敗をしたのです。
ですからアメリカチームは打倒ジャマイカとして、そしてロンドンオリンピックのリベンジとして、リオオリンピックの4x100mリレーにかけていました。もちろんバトンのパスも練習してきました。
しかし、またもやバトンパスのせいで、失格となってしまったのです。
失格と知ったアメリカのジャスティン・ガトリン選手とタイソン・ゲイ選手がインタビューで、「このチームで走れたことを誇りに思っている」と答えていました。残念そうに見えましたが、失格という事実を冷静に受け止めたように見えました。
日本の勝因と海外の反応
アメリカのNBCで、このリオオリンピック男子4x100mリレー決勝を観ていましたが、レースの前から日本のことはアメリカチームにとって脅威になると、解説者は話していました。
それだけ日本チームが評価されているということで、やはりそれは予選での素晴らしいレース結果が影響しているようでした。
さらに他の国のチームが4x100mリレーを練習するのは数ヶ月程度なのに対し、日本は1年中練習していることを強調していて、日本がこの決勝戦、台風の目になるのを予想しているようでした。
個々の選手が優れているというより、チーム力として優れている、というふうに見られているようでした。結果として、それが一番の勝因であったといえるでしょう。
日本はバトンの渡しか方を徹底し、個々の選手のトレーニングの延長としてのリレー練習ではなく、リレーという一つのカテゴリーとして、トレーニングを積んできていますから。やはりリレーにかけたトレーニング量は、他の国よりずば抜けて多いと思います。
自国のアメリカ、世界のジャマイカの次に、話題にしていたのが、日本で、それだけ注目されているようでした。
決勝には中国チームも入っていましたが、中国のことは全く、一切ふれず。ですからアジアからはてっきり日本だけが、決勝に進んだのかと思いました。
レースが始まると、第1走者である山県亮太選手が既に素晴らしい走りを見せていました。NBCの解説者はひたすら自国のアメリカについて実況していましたが、桐生祥秀選手から最終走者であるケンブリッジ飛鳥選手にバトンが渡った瞬間、日本がトップ走者の一人であること、そしてアメリカより前にいることに、非常に驚いた様子で、
日本がセカンドに来ている!
と、まるで有り得ない状況であるかのように、叫んでいました。
オンライン中継でも、アンカーのケンブリッジ飛鳥選手が飛び出したときに、
日本が驚きの銀!
と、その驚きを隠せない実況中継者。今まで銅メダルならあったが、アメリカを抑えた銀メダルということが、驚きのポイントだったようです。
ケンブリッジ飛鳥選手の走りは、アメリカのトレイボン・ブロメル選手に負けていませんでした。もちろんリレーの中での100メートルですから、単純に速さを比べることはできませんが。
ネットでも、
What I wasn't expecting was Japan beating the US. HA!
日本がアメリカに勝つなんて、思ってもみなかった。あっぱれ!
Congratulations to Japan and Canada for coming 2nd and 3rd respectively!
日本とカナダ、2位と3位になっておめでとう!
Pathetic, . . .losing to the Japanese? Whoever put that USA relay team together needs to be fired.
かなし〜い・・・、日本に負けたの?アメリカのリレー選手を選んだ人はクビにするべきね。
というコメントが見られます。
こんなふうに言われて、悪い気はしませんね。
エース渡嘉敷来夢選手が活躍したバスケットボール女子も、木村沙織選手率いるバレーボール女子も、レスリング女子の吉田沙保里選手も、アメリカに負けましたから、男子4x100mリレーでリベンジできた気がします。
最後に
ウサイン・ボルト選手の最後のオリンピックの最後の走りの横に、日本チームがあったなんて、なんだかドラマチックですね。
ウサイン・ボルト選手有難う、と同時に、日本チーム銀メダルおめでとうございます!
以上、リオオリンピック男子4x100mリレーで日本が銀メダルの勝因は?米国の失格理由と海外の反応についてでした。
追記:
アメリカはこの失格判定に対し、抗議を申し入れましたが、翌日却下され、失格が決定となりました。と同時にカナダの繰り上げ銅メダルが確定しました。