満点の演技で世界フィギュア選手権を2連覇した、ハビエル・フェルナンデス選手。チャンピオンに素晴らしいフリーの演技内容で、表現力を表す2項目で何と10点満点の評価を得たのだ。
満点の表現力
その満点の項目は、「振り付け」と「説明」。10点満点中、10点。フィギュアスケートが現在のジャッジシステムに変わってから、初めてである。あの羽生結弦選手でさえ、”ほぼ”満点が最高だったのだ。もともと素晴らしい表現力を持っていたハビエル・フェルナンデス選手ではあるが、いつも何となく羽生結弦選手のそれを越えることはなかった。
ハビエル・フェルナンデス選手はどちらかというと、クラシック系の音楽より、今シーズンのような少しコミカルな動きのできる音楽の方が評価が高い。そういった意味では音楽の選択は正解で、ハビエル・フェルナンデス選手の魅力を最大限引き出すことができたと思う。
スコア表を見ても、スケーティング力より、演技力、振り付け、説明の項目がかなり高いのは頷ける。
満点の4回転トーループ、満点の4回転サルコウ
冒頭のジャンプ4回転トーループが、完璧に決まった。これにジャッジは全員満点の3を出している。つまり全員が最高評価をくだしたのだ。そしてもっと凄いのは、疲れが出てくる、ゆえに10%のボーナスがつく、後半の4回転サルコウジャンプである。これもまた最高加点の3を貰っている。このジャンプだけで、14.55点を稼いでいるのだ。
4回転トーループからの3回転トーループ、トリプルアクセルも2つ、後半の3回転フリップからシングルループ、そして3回転サルコウジャンプと、これでもかという難しいジャンプを成功させ、この日全てのジャンプを完璧に成功させたのだ。
満点のステップ
男子はフリーで2度ステップを踏むが、これらもまたフェルナンデス選手は満点の評価を貰っている。一つ目は1.90点のほぼ満点であったが、2つ目のプログラム後半に入れたコレオステップシークエンスでは、満点の2をもらっているのだ。このときに優勝は100%フェルナンデス選手のものになったと確信した。
今年はフェルナンデス選手の実力で掴み取った
昨シーズンの世界選手権の優勝は、フェルナンデス選手はどちらかというと羽生結弦選手の怪我で、優勝が舞い込んできたといった感じだった。優勝したとしても、実力は完全に羽生結弦選手の方が上と誰もが思っていただろう。しかし今年は先に滑り終えた羽生結弦選手のフリーの点が伸びなかったが、実力では互角の勝負だったと言えよう。確実に着実に、羽生結弦選手と同じコーチの元で練習し、実力をつけてきたのだ。それがこの高得点216.41点である。
来年が益々楽しみに
羽生結弦選手と互角に戦えるようになったフェルナンデス選手のおかげで、来年のフィギュアが今から楽しみになった。来シーズンはオリンピックのプレシーズンである。
世界選手権2連覇おめでとう、ハビエル・フェルナンデス選手。