今週から始まる世界フィギュア選手権。男子シングルで一番の見どころと言えば、今シーズン競技へ復帰したパトリック・チャンと去年の世界チャンピオンであるハビエル・フェルナンデス、そして日本のエース羽生結弦の3強の戦いではないだろうか。今年の世界チャンピオンは、この3人の誰かになる可能性が非常に高い。そこでズバリ、結果を予想してみた。
予想ゴールド:
世界記録更新中の羽生結弦選手
今シーズンの成績では羽生結弦選手が頭一つ分抜き出ている。言わずと知れた世界最高得点を、2試合連続で叩き出している。それも今までの点より数点上回った、というレベルではない。330.43点。あんなハイスコアが出るなんて、10年前には考えられなかった。300点の壁を誰が破るのか、ここ数年注目されていたが、今年になって300点をゆうに越えている。
そして羽生結弦選手が一番の優勝候補である、もう一つの理由は、去年は大怪我の後の世界選手権で、彼は本調子ではなかった。しかし今年はそんな怪我の影響はなく、調子はいい。こういう時の羽生結弦選手は非常に怖い。
敵はプレッシャーに打ち勝つこと
羽生結弦選手にも懸念材料はある。NHK杯とグランプリファイナルの2試合連続で世界記録を塗り替えて、それがどのようにこの世界選手権ででるのか。相当のプレッシャーであるだろう。他のスケーターに勝つことだけでなく、記録との戦い。そのプレッシャーをどうコントロールするのか、羽生結弦選手の真価が問われるところだ。
予想シルバー:
パトリック・チャン選手、あの4大陸選手権をもう一度
先月中国で行われた4大陸選手権のフリーの演技は、パトリック・チャン選手の完全復帰を印象づけた。25歳になったパトリック・チャン選手の、大人の色気も漂う演技だったと思う。そして203.99点という高得点である。この大人の男性の醸し出す、独特の色気なようなものは、羽生結弦選手にはまだないものだ。しかもカナダから近いボストンで行われることも、パトリック・チャン選手に有利に働くかもしれない。4大陸選手権の勢いをそのまま、この世界選手権に持ってくることができるか。
>>勝利への鍵となるのは?「世界フィギュア パトリック・チャンが勝つための3つのポイント」
何より経験豊富な選手である。世界選手権に照準をぴったり合わせてくるだろう。
ショートが課題
今シーズンのパトリック・チャン選手は、まだショートで完璧な演技ができていない。今シーズン最後のこの大イベントで、ショートで納得のいく滑りができるかが、一番のポイントであろう。
予想ブロンズ:
300点越え、ハビエル・フェルナンデス
現世界チャンピオンのハビエル・フェルナンデス選手。2連覇達成になるか、注目が集まる。ヨーロッパ選手権では、遂に300点越えを果たし、勢いのある選手である。しかも安藤美姫と結婚して公私共に充実している。羽生結弦選手の一歩後ろを行く感があるが、それでも十分に実力がある選手である。羽生結弦選手が去年のように少しでも万全でない場合、すぐにそのポジションを奪い取ることのできる実力があるのだ。
最後に
もちろんこの3選手の誰が優勝してもおかしくないし、他にもたくさんの有力な選手が出場する。
注目の男子シングルは、現地時間木曜日30日夜6時15分(日本時間31日朝7時15分)から始まる。