東京都知事選で、なぜ鳥越俊太郎氏は小池百合子氏に勝てずに負けてしまったのでしょうか。
小池百合子氏の勝因、鳥越俊太郎氏の敗因は何か、東京都知事選のそれぞれの結果の当選理由や原因を検証しました。
なぜ鳥越俊太郎は破れた?
東京都知事選前の調査では、既に差を開けられていた鳥越俊太郎氏でしたが、やはりテレビでレギュラー番組を何本を抱えていただけあり、知名度は小池百合子氏に劣らず他の候補者よりも高かったです。
しかも7月に入ってギリギリでの立候補でしたので、そういったことでも話題をさらいました。
ですから、もしかしたら、と思っていましたが、やはり小池百合子氏に勝つことはありませんでした。
鳥越俊太郎氏が破れた敗因、理由をまとめると、
鳥越俊太郎の敗因、理由1: 女性スキャンダル
誰が何といっても週刊文春が放った文春砲は、鳥越俊太郎氏に大きな打撃だったことは間違いないでしょう。
いわゆる「上智大学某重大事件」が13年の時を経て、遂にここへきて公に暴露されたのです。
「鳥越俊太郎 女子大生不倫疑惑で文春を告訴!どうなる都知事選」
「鳥越俊太郎文春砲 どこの女子大生?関西大か上智大か」
鳥越俊太郎氏は男性で、有名人ですから、女性スキャンダルの一つや二つは必ずあるのだろうと確信していましたが、まさか「上智大学某重大事件」だっとは思いませんでした。
実は鳥越俊太郎氏の女性問題は、文春砲が放たれる前から噂はされていました。
しかしどれもコレっといった決定打にはなっていませんでした。
この文春砲により鳥越俊太郎氏の女性支持者離れが著しかったと言います。
そして週刊文春に続いて、元々13年前に「上智大学某重大事件」を追っていた週刊新潮も、その内容を暴露しましたから、もうこの時点で鳥越俊太郎氏はアウトでした。
「週刊新潮が暴く!鳥越俊太郎女子大生不倫疑惑 被害者女性の証言」
鳥越俊太郎の敗因、理由2: 女性スキャンダルの対応
文春砲が炸裂し、第二弾として週刊新潮まで鳥越俊太郎氏の女性問題を取り上げたとき、鳥越俊太郎陣営の対応は、「事実無根」「告訴する」ということでした。
結局鳥越俊太郎氏からのきちんとした説明はありませんでした。
鳥越俊太郎陣営には優秀な弁護士がついています。
またこの弁護士が凄腕だったことからも、返って市民からの反感を買ったのではないでしょうか。
「こんな優秀な弁護士がいるから、鳥越俊太郎氏はスキャンダルについて何の釈明もしないまま、事実無根として訴えるんだ」
と。
「上智大学某重大事件」が事実かどうかは、当事者でない限り誰にも分かりません。
しかし鳥越俊太郎氏の女性スキャンダルに対する対応は、マズかったとしか言いようがありません。
鳥越俊太郎の敗因、理由3: 健康問題
76歳の鳥越俊太郎氏ですから、健康問題が心配されてもおかしくない年齢です。
ガンを克服したことは素晴らしいですが、やはり正直それが有権者にプラスに見えたかどうかは疑わしいです。
鳥越俊太郎氏本人は、ガンを患ったからそれが都知事になることにマイナスになるような発言は差別だ、のようなことを言っていましたが、やはり東京都民にとっては、不安要素であったのではないでしょうか。
4年後には東京オリンピックという、国をあげての大イベントがあります。
その大行事にちゃんと備えるだけの健康が鳥越俊太郎氏にあるのか、やはり疑問でした。
鳥越俊太郎の敗因、理由4: 認知症?
鳥越俊太郎氏が選挙演説中に時々見せる、え?という話。
例えば、今XXXって言ったのに、その直後○○○って言ってる。
そんな場面がいくつか指摘されました。
自分が何を言っているのか、随時理解してるの?と、私は東京都民ではありませんが正直不安になりました。
ですから都民であれば、もっと不安になったのではないでしょうか。
鳥越俊太郎の敗因、理由5: 準備不足
鳥越俊太郎氏が都知事選の出馬表明をしたのは、告示日直前でした。
投票日まで日がなかったので、これでは決戦に向けて十分な準備ができなかったでしょう。
鳥越俊太郎氏の出馬表明は突然でしたので、野党統一とはいえ、根回しをきちんと行っていたわけでもなさそうでした。
そういったことから準備不足を指摘されてきましたが、それが実際結果となって表れましたね。
やっぱり何事もきちんとした準備は必要ですね。
なぜ小池百合子は勝った?
一方で、なぜ小池百合子氏は21候補者の中から選ばれたのでしょうか。
小池百合子氏にもある程度のスキャンダルはありました。
「小池百合子 学歴詐称で夫なし どうなるポスト舛添都知事選」
それでも女性初となる都知事になれたのは、なぜでしょう。
小池百合子の勝因、理由1: 鳥越俊太郎の失速
今回の都知事選で、小池百合子氏にとって鳥越俊太郎氏が一番のライバルではありませんでした。
投票前の調査では、すでに小池百合子氏は鳥越俊太郎氏をかなりリードしていましたから。
しかし鳥越俊太郎氏が女性スキャンダルで失速したとき、やはり女性はクリーンなイメージでいられたので、その分小池百合子氏に有利になったのではないでしょうか。
実際に小池百合子氏がクリーンかどうかは別として。
ただ女性問題という点においては、女性である小池百合子氏は解放されていたと思います。
女性候補者や女性議員の男性問題ってあまり聞きませんからね。
小池百合子の勝因、理由2: ライバルの失言
7月下旬になり増田寛也氏が急な追い上げを見せました。
今回の都知事選では、おそらく増田寛也氏が、小池百合子氏にとっての一番のライバルだったと言えるでしょう。
自民党に擁立され、固い組織票に支えられた増田寛也氏でしたが、このことが返って仇となりました。
7月26日に自民党本部で行われた決起集会で、石原慎太郎氏がなんともいつもの口の悪さが災いし、
「大年増の厚化粧」
と小池百合子氏を揶揄したのでした。
小池百合子氏はこのことに慌てることなく、3日後のテレビ討論で「この発言は増田寛也氏に有利になっていないんじゃ」と話し、うまく逆境を自分のものとしてしまいました。
政治家として小池百合子氏は長いですから、男からのこの手の攻撃は慣れているのでしょうね。
小池百合子の勝因、理由3: 自民党支持者の反発
都連の反発を買った小池百合子氏でしたが、これは結果的に返って小池百合子氏に有利になったと言えます。
都知事選が始まった当初から、自民党都連の親族も含めた締め付けが伝わったため、自民党支持者が都連へ反発。
その結果小池百合子氏支持へ回ったのです。
小池百合子氏は組織的な後ろ盾が無く、一人で闘っているような感じでしたので、どんな理由であれ自民党支持者からの指示を受けたのは大きかったと思います。
精神的にも小池百合子氏は強く闘えたのではないでしょうか。
さらに遂には安倍晋三首相から増田寛也陣営は干された形となってしまいました。
ビデオメッセージを寄せただけで、安倍晋三首相は増田寛也氏の応援演説には立ちませんでした。
自民党の顔ともいえる、現首相から干されてしまっては、増田寛也氏の敗北は目に見えたも同然でした。
最後に
一番面白くない都知事選、などど表されることもあった、今回の東京都知事選ですが、私は結構楽しめました。
ただ東京都民ではないため、選挙権はありませんでしたけどね。
小池百合子氏はダントツの票数を集め、女性初の東京都知事になりました。
女性の政治家といえば、今月に行われた参議院選で見事当選した、今井絵理子氏がいますね。
女性の活躍が目覚ましいということでしょうか。
舛添氏を含め、3人連続で都知事を辞職していますから、小池百合子氏にはそうならないで、東京オリンピックを迎えてほしいものです。
以上、東京都知事選、なぜ小池百合子氏は勝ち、鳥越俊太郎氏は負けたのか、その原因と理由を分析しました。