吉田沙保里選手がまさかのリオオリンピックレスリング女子53キロ級決勝戦で、アメリカのヘレン・マルーリス選手に負けて五輪4連覇ならず、銀メダルに終わりました。
みんなが絶対金メダルと信じて疑わなかった吉田沙保里選手は、なぜ負けてしまったのでしょうか。敗因と理由を検証しながら、決勝戦相手のヘレン・マルーリス選手について、そして海外の反応もまとめました。
吉田沙保里選手が負けた原因とは?
偉大な吉田沙保里
吉田沙保里選手が初めてオリンピックで金メダルに輝いたのは、2004年のアテネオリンピックでした。アテネオリンピックからレスリング女子がオリンピック種目になり、元々日本の女子レスリングはとても強かったことから、金メダルが期待され、以降、日本が金メダルを確実に取ることができる種目となりました。その第一人者とでも言うべき存在が吉田沙保里選手でした。
1982年10月5日生まれの吉田沙保里選手は現在33歳、2004年のアテネオリンピックで金メダルを獲得したときはまだ21歳でした。以来ずっと一線で勝ち続けることは、ものすごいストレスとプレッシャーだったと思います。
4連覇こそなりませんでしたが、アテネ、北京、ロンドンと3連覇しただけでも凄いことだと思います。
ヘレン・マルーリス都は?
米国のヘレン・マルーリス選手との一戦になったリオオリンピック決勝戦。
ヘレン・マルーリス選手は1991年9月19日生まれで、アメリカ合衆国のメリーランド州ロックビル出身、現在24歳の女子レスラーです。
吉田沙保里選手とは2011年と2012年の世界選手権で戦ったことがあり、いずれもヘレン・マルーリス選手が負けています。
ヘレン・マルーリス選手は吉田沙保里選手が目標で、実は日本で吉田沙保里選手や吉田沙保里選手のコーチと一緒にトレーニングをしています。レスリングを学んだだけでなく、日本語の勉強もしたそうです。
ですから吉田沙保里選手をしっかり研究してきたことでしょうね。
インタビューでも吉田沙保里選手を尊敬していることを強調していました。
アメリカ人女子として、初めてオリンピックレスリング金メダリストになったヘレン・マルーリス選手ですが、小さい頃は男の子に泣かされるような女の子だったとか。
試合のときはスッピンですが、メイクをすると、ハリウッド女優のケイト・ウィンスレットに似ている美人です。
決勝戦、なぜ負けた?原因と理由
ヘレン・マルーリス選手には負け無しの吉田沙保里選手でしたが、この日のヘレン・マルーリス選手は、世界ランキング2位のスウェーデン出身ソフィア・マットソン選手を、準決勝でフォールで勝つなど、安定というか、圧勝して、決勝まで進んできました。ソフィア・マットソン選手こそ、このオリンピックで吉田沙保里選手の最大のライバルと見られていました。
決勝戦前、リンクに上がるとき緊張が見えたのは吉田沙保里選手の方だったと思います。なにしろ五輪4連覇がかかった一戦ですから、緊張しない方が難しいかもしれません。
ちなみにレフリーは、ロシアのNoravard Arustamyanで、ジャッジはGOCHEV Miroslavで、ブルガリア人でした。
敗因1: ヘレン・マルーリスのディフェンス
試合序盤は、ヘレン・マルーリス選手がディフェンスに回り過ぎて、吉田沙保里選手の持ち味、スピードのあるタックル攻撃が中々決まりません。最初に吉田沙保里選手が仕掛けたときも、ポイントを取られないようヘレン・マルーリス選手はしっかり右足を踏ん張り、守っていました。
敗因2: スタミナ
試合が後半になって試合が動きましたが、この時間帯の吉田沙保里選手は、スタミナ切れの様子が見て取れました。一方の24歳のヘレン・マルーリス選手は、まだ力強さがありました。
スポーツによって選手生命の長さは異なるでしょうが、レスリングでは20代の半ばって、体力は十分あり、経験も積んで、まさにピークなのかなと思いました。これがフィギュアスケートなら、24歳の女性とはそろそろ現役を引退する年齢です。野球なら、30代なんてまだまだいける年齢ですよね。
敗因3: 怪我
吉田沙保里選手は7月24日の行われた公開練習後に股関節を痛めたり、腰の状態が完全ではありませんでした。
自腹でリオへ行く飛行機の座席を、エコノミークラスからビジネスクラスに変えたということが報道されました。日本から一番遠い国がブラジルです。リオまでの長時間フライトでかかる体への負担を考えると、自腹を切ってでもビジネスクラスを使ったのは、正解ですよね。
とにかく怪我ということで、吉田沙保里選手は万全な体調ではなかったようですね。
敗因4: 五輪前のルーティーン
過去3回のオリンピックでは、その前に世界選手権があったそうで、吉田沙保里選手はその大会に参加していました。他の強豪選手も参加するので、オリンピック前の予行練習にもなったでしょうし、外国の選手がどんな状態なのか、どのれべるなのか、チェックできたのだと思います。去年までは大したことない選手でも、今年のオリンピックを目指し、1年間で実力をつけてくる選手もいることでしょう。特に若い選手なら、短期間でググッと伸びることは、よくあると思います。
しかし今年はリオオリンピック前に世界選手権は行われませんでした。吉田沙保里選手にとって、こんなことは初めてで、リオオリンピックが今年の公式戦初試合だったそうです。オリンピック前に、今の仕上がり具合を試す機会が無く、つまりある意味ぶっつけ本番だったそうです。
もちろん他の選手も同じ条件なのですが、オリンピック4度目になる吉田沙保里選手にとって、既に出来上がったオリンピック前のルーティーンが崩されたのは、調子が狂う一因になったのではないでしょうか。
私も毎朝決まったシリアルを朝食に食べていますが、別のものを食べると、一日になんとなく、しっくりこないといいますか、目覚めの儀式的なそのシリアルが無いと、やっぱり一日狂います。
吉田沙保里の負け、海外の反応は?
数あるオリンピック種目の中で、この日のプライムタイム(ゴールデンタイム)では、吉田沙保里選手とヘレン・マルーリス選手の決勝戦が放送されていました。
ヘレン・マルーリス選手がアメリカ人初の金メダルレスラーであることもですが、やはり女子レスリング界のレジェンドである吉田沙保里選手が負けたことが大きかったのでしょう。
日本のスターであり、五輪3連覇を達成して、リオオリンピックで4連覇がかかる吉田沙保里選手が、アメリカのヘレン・マルーリス選手に負けたのです。
このニュースはアメリカでも大きく報じるに値する内容なのでしょうね。
さらに吉田沙保里選手の速い動きを、とても褒めていました。
NBCのプライムタイム(ゴールデンタイム)で取り上げられるなんて、すごいことなんです。しかもスタジオにはメイクをして、別人のようなヘレン・マルーリス選手がいて、インタビューを受けていました。
吉田沙保里選手をオリンピックで負かし、金メダルに輝いても、とても謙虚で、吉田沙保里選手への深い敬意を示すヘレン・マルーリス選手に、とても好印象を持ちました。
最後に
金メダルが3つ、銀メダルが1つ、計4つのメダルを獲得した吉田沙保里選手。銀メダルを取るだなんて思ってみなかったと、試合後のインタビューで答えていました。悔しさで泣き崩れた吉田沙保里選手に、思わず見ている私も涙が。
この後引退するのか、現役続行が気になりますね。
銀メダルに終わったのは残念だったかもしれませんが、見ていてとても感動しました。
以上、吉田沙保里選手がリオオリンピックレスリング女子で銀メダル!決勝戦相手のヘレン・マルーリスって誰?負けた原因と理由と海外の反応についてでした。