フィギュアスケートグランプリシリーズ第5戦、中国大会(中国杯)2016の女子シングルショートプログラムが、18日に北京で行われました。
首位に立ったのは、カナダのケイトリン・オズモンド選手。三原舞依選手はミス無しで滑り3位に、本郷理華選手は決して悪い内容ではなかったのですが、特に演技構成点が伸びず6位です。
動画と共に、中国杯2016の女子シングルショートプログラムを総評し、本郷理華選手の得点が伸びなかった原因を分析しました。
GPS中国大会2016 女子ショート結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | ケイトリン・オズモンド(カナダ) | 72.20 | 38.87 | 33.33 |
2 | エレーナ・ラジオノワ(ロシア) | 70.75 | 36.81 | 33.94 |
3 | 三原舞依 | 68.48 | 37.37 | 31.11 |
4 | エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) | 64.88 | 33.88 | 31.00 |
5 | アシュリー・ワグナー(アメリカ) | 64.36 | 31.10 | 33.26 |
6 | 本郷理華 | 63.63 | 33.20 | 30.43 |
7 | 李子君(中国) | 61.32 | 31.35 | 29.97 |
8 | コートニー・ヒックス(アメリカ) | 59.86 | 31.48 | 28.38 |
9 | カレン・チェン(アメリカ) | 58.28 | 29.48 | 29.80 |
10 | 李香凝(中国) | 54.55 | 27.66 | 26.89 |
11 | 趙子荃(中国) | 58.20 | 29.46 | 28.74 |
12 | ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン) | 49.25 | 22.01 | 27.24 |
女子ショート総評と動画
本郷理華選手、スケートカナダのときとは別人のように、いつものダイナミックな演技を、ここ北京で披露してくれました。
スピードもあって、特に長い手足を活かしたスピンはどれもレベル4でした。
ミスらしいミスというのはありませんでしたが、演技後半の3回転トーループ+3回転トーループの2つ目のジャンプが回転不足をとられてしまい、基礎点が下がってマイナス評価に。このジャンプがショートの大きな得点源だっただけに、残念ですね。
やはり見せ場はスピードのあるステップでした。首の振りをうまく使いながら、音楽の破滅的な世界観を表現していました。本郷理華選手の首の振りって、本当に音楽のコーラスにぴったり合っているんです。
こういった躍動感ある曲は、166センチある本郷理華選手が、その身長をうまく活かすことができると思います。
しかし演技構成点が伸びず、総合得点が63.63点という結果に。本郷理華選手の演技構成点が三原舞依選手のより下というのは、正直納得がいきません。確かに一つ一つのエレメントの加点が低いことも、ショートの総合点が伸びなかった原因の一つですが、演技構成点って、いまいち理解できませんよね。
ただ本郷理華選手は、動きが大きくとても見応えがある分、一つ一つの動きに丁寧さが欠ける印象もあります。特に速いテンポの音楽だと、速い大きな動きと丁寧さ、両方を揃えるのって、とても難しいことだと思います。
もう一つ気になったのは、本郷理華選手の演技構成点の中でもスケーティング力が低い評価だったことです。スケーティング力の高い選手の演技は、深いエッジ使いで、スケート靴とリンクがくっついているように見えます。小塚崇彦さんとかパトリック・チャン選手がただ滑っているだけで華になるのは、このスケーティング力が高いから。あと、エッジだけでなく、膝が深いと滑りがさらに滑らかに見えますよね。
スケーティングって、スケーターにとって基本中の基本です。そういうことを徹底させるといえば、佐藤信夫コーチを思い浮かべます。
それにしても、イギリスの解説者も、もっと得点が伸びるだろうと評価していた本郷理華選手のショートでしたが、意外に点が低く驚いていました。
三原舞依選手は、この中国杯の前に、ミスなく滑りたいと抱負を述べていましたが、この日のショートはまさにミスなく滑りきりましたね。伸び伸びと楽しんで滑っているのが、見ている方にも伝わるような演技でした。
ジャンプも高さがあり、最初のコンビネーションジャンプ、3回転ツッル+3回転トーループは加点が1.1もついた、素晴らしいジャンプでした。三原舞依選手はルッツとフリップのジャンプで、アウトとインをしっかり踏み分けているので、ショートでルッツとフリップを入れることが出きるのは、大きな得点源で、強みですよね。
若さ溢れる軽快な滑りは、見ている方も楽しくなりました。使用した音楽はフィギュアスケートではお馴染みのカミーユ・サン=サーンスのバイオリン曲で、そんなに明るい曲ではないのですが、三原舞依選手が滑ると元気溢れる曲になってしまいました。
三原舞依選手がもう少し大人になって、曲の憂い感も出せるようになると、演技に幅が出るのだと思います。
最後に
本郷理華選手も三原舞依選手も、グランプリシリーズ1戦目より、今回の方が良い演技ができたのは良かったです。
明日のフリー、期待ですね。
以上、フィギュアスケートグランプリ中国杯女子ショート結果速報、本郷理華選手と三原舞依選手についてでした。
女子フリーの結果
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テレビ放送予定
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男子の結果
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