フィギュアスケートグランプリシリーズ第3戦、ロシア大会(ロステレコム杯)2016の男子シングルフリープログラムが、5日にモスクワで行われました。
ショートを歴代3位という高得点を獲得した宇野昌磨選手、フリーでは現世界王者のハビエル・フェルナンデス選手に大差をつけられ、総合2位。フェルナンデス選手の優勝でした。悔しい。
動画と共に、ロステレコム杯2016の男子シングルフリーの結果を総評しました。
GPSロシア大会2016 男子フリー結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | ハビエル・フェルナンデス(スペイン) | 201.43 | 105.73 | 95.70 |
2 | 宇野昌麿 | 186.48 | 96.12 | 91.36 |
3 | オレクシイ・ビチェンコ(イスラエル) | 168.71 | 88.57 | 80.14 |
4 | マックス・アーロン(アメリカ) | 161.94 | 85.18 | 76.76 |
5 | 田中刑事 | 155.78 | 83.14 | 72.64 |
6 | ミハイル・コリヤダ(ロシア) | 155.02 | 72.04 | 83.98 |
7 | ゴルジェイ・ゴルシュコフ(ロシア) | 150.14 | 76.70 | 73.44 |
8 | エラッジ・バルデ(カナダ) | 149.09 | 71.67 | 77.42 |
9 | アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア) | 145.46 | 75.16 | 71.30 |
10 | シャフィク・ベセギエ(フランス) | 143.30 | 70.16 | 73.14 |
11 | デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) | 141.37 | 68.65 | 72.72 |
12 | アレクサンデル・マヨロフ(スウェーデン) | 124.34 | 60.78 | 64.56 |
男子シングル総合結果
- ハビエル・フェルナンデス(スペイン) 292.98
- 宇野昌麿 285.07
- オレクシイ・ビチェンコ(イスラエル) 255.52
- ミハイル・コリヤダ(ロシア) 245.30
- マックス・アーロン(アメリカ) 235.58
- エラッジ・バルデ(カナダ) 225.45
- 田中刑事 224.91
- シャフィク・ベセギエ(フランス) 223.98
- ゴルジェイ・ゴルシュコフ(ロシア) 223.51
- アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア) 221.52
- デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) 203.77
- アレクサンデル・マヨロフ(スウェーデン) 192.14
男子フリー総評と動画
宇野昌麿選手、グランプリファイナル一番のりですね。
宇野昌麿選手のフリーは、全体的にジャンプに精細を欠きましたね。それでも前半の2つの4回転はなんとか降りました。そんな立ち上がりで不安だったのですが、後半最初のジャンプである3回転半+3回転トーループのコンピネーションが、3回転半の単独になってしまいました。
また2本目の4回転トーループで転倒してしまうという痛恨のミス。1本目の4回転トーループが単独だったので、2本目はコンビネーションの予定だったのですが、転倒してしまったために2つ目のジャンプをつけることができませんでした。このため同じジャンプを2度跳んだとみなされ、2つ目の4回転トーループは、基礎点が2割下げられます。さらに転倒で減点1点、そして評価点もマイナス評価。アメリカ大会のときは、4回転トーループ+2回転トーループで、基礎点12.76、加点が1.43で、14.19点も稼いでいたのに、この日は3.93点しか稼げていませんでした。
しかしアメリカ大会では決められなかった、3回転半+シングルループ+3回転フリップのコンビネーションが綺麗に決まったのは、大きな収穫でした。まるで氷の上をかけていく、そんなジャンプで、曲が盛り上がるところでの大一番のジャンプでしたから、会場の興奮はマックス手前。この直後のしゃがんだ格好でのイーグルで、観客の興奮は最大マックスに達しましたね。
プログラムが進に連れ、宇野昌麿選手の動きが良くなっていったように見え、スピンもステップも後半の方が高評価でした。曲に合わせて動きにメリハリが出てきたのも後半で、しっかり滑りをコントロールしていましたね。前半は、宇野昌麿選手、心ここにあらずというか、後半になって集中力が上がったようでした。
ハビエル・フェルナンデス選手は、王者の風格を見せつける演技でした。
エルヴィス・プレスリーの曲は、ハビエル・フェルナンデス選手のコミカルな動きにぴったりですよね。大正解の選曲です。
演技が始まった瞬間に、観客を虜にできるのは、さすが25歳のベテランのスケーターだと思いました。
冒頭の4回転トーループを完璧に決めると、後は波にのって、エルヴィス・プレスリーを演じていましたよね。膝が柔らかく、着氷がとても綺麗でした。そして後半の4回転サルコウが決まると、もうハビエル・フェルナンデス選手の逆転優勝は間違いないと思いました。
ハビエル・フェルナンデス選手の演技に引き込まれるのは、あの肩の動き。上半身は肩を使って表現していて、可動域が大きくなり、全体的にダイナミックな動きになる、そう見える。エルヴィス・プレスリーの速いテンポに合わせて肩を動かすので、かなり上半身に筋肉がないとこなせないのでは?演技中は、忙しそうな肩ですよね。
さすがに演技最後は少し疲れたかな、という印象でした。
でもその疲れた感が、逆に大人の演技っていう感じで、見ているこちらも何だか達成感がありましたよね。
ハビエル・フェルナンデス選手にとってロシア大会がグランプリシリーズ初戦です。その初戦で既にフリー200点超えは、さすがですね。
最後に
宇野昌麿選手がファイナル進出を決めたのは、とても嬉しいですよね。ファイナルまでまだ1ヶ月以上あります。ますます磨きがかかった演技を、ファイナルでは期待しています。
以上、フィギュアスケートグランプリロシア大会2016男子フリーの総評でした。
男子ショートの結果
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女子の結果
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テレビ放送日程
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