フィギュアスケートグランプリシリーズ第5戦、中国大会(中国杯)2016の女子シングルフリープログラムが、19日に北京で行われました。
三原舞依選手が総合で4位、本郷理華選手は5位で、ファイナル進出はなりませんでした。
優勝はロシアのエレーナ・ラジオノワ選手。ショート2位からの逆転でした。個人的にはアメリカのアシュリー・ワグナー選手の演技が良かったです。
動画と共に、中国杯2016の女子シングルフリープログラムを総評しました。
GPS中国大会2016 女子フリー結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | エレーナ・ラジオノワ(ロシア) | 135.15 | 65.50 | 69.65 |
2 | エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) | 127.69 | 63.11 | 64.58 |
3 | ケイトリン・オズモンド(カナダ) | 123.80 | 57.27 | 67.53 |
4 | 三原舞依 | |||
5 | カレン・チェン(アメリカ) | 121.11 | 61.32 | 60.79 |
6 | 本郷理華 | 118.12 | 56.51 | 61.61 |
7 | アシュリー・ワグナー(アメリカ) | 117.02 | 48.46 | 68.56 |
8 | 李子君(中国) | 111.08 | 53.73 | 58.35 |
9 | コートニー・ヒックス(アメリカ) | 103.78 | 47.03 | 56.75 |
10 | 李香凝(中国) | 90.92 | 38.61 | 52.31 |
11 | ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン) | 95.39 | 43.65 | 52.74 |
12 | 趙子荃(中国) | 102.72 | 50.41 | 53.31 |
女子総合結果
- エレーナ・ラジオノワ(ロシア) 205.90
- ケイトリン・オズモンド(カナダ) 196.00
- エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) 192.57
- 三原舞依 190.92
- 本郷理華 181.75
- アシュリー・ワグナー(アメリカ) 181.38
- カレン・チェン(アメリカ) 179.39
- 李子君(中国) 172.40
- コートニー・ヒックス(アメリカ) 163.64
- 趙子荃(中国) 157.27
- 李香凝(中国) 149.12
- ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン) 144.64
女子フリー総評と動画
本郷理華選手、今日のフリーもいまひとつパッとしませんでしたね。曲がまだ自分のものになっていないし、フリー4分間滑り切るので精一杯という、必死さばかりが目立って、優雅さが見られませんでした。滑り込めていないのか、一つ一つの動作をこなしていくだけで精一杯という感じでした。
ですから見ていて、感情とか気持ちとか、そういうのが伝わってきませんでした。
おそらく昨シーズンのフリープログラムのリバーダンスが、本郷理華選手のキャラを存分に活かしたプログラムだった分、今シーズンのアラビアのローレンスの曲が、いまひとつ本郷理華選手にしっくりこないのかな。
この曲は躍動感ありますが、テンポや音の強弱に欠けて、いつも躍動しっぱなしな印象があります。ですからスピードにのって滑りきれば、素晴らしい演技になりますが、そうでない場合、スピードがなく音楽についていけない場合は、苦しい展開になる、難しい曲だと思います。
技術的なことにおいては、きれいに決まったジャンプは後半の2回転半+3回転トーループと3回転サルコウだけでしたね。跳んでも何となくキレがなく重そう、というのが印象でした。
本郷理華選手はファイナル進出なりませんでしたから、次回その姿を見るのは全日本選手権ですね。
三原舞依選手は、この日も元気一杯の演技を見せてくれました。
冒頭の3回転ルッツ+3回転トーループが綺麗にきまり、着氷でも膝が柔らかく、動きに無駄が無く、流れの中で跳んでいるジャンプでした。加点も1.0ついて、良いジャンプでしたね。三原舞依選手はジャンプと跳ぶとき、いかにもこれから跳びます、というのが見られず、流れの中で軽やかに跳ぶので、ジャンプの前後で音楽が途切れないですよね。
しかし演技後半の3回転ルッツの予定がパンクして、1回転になってしまうという痛恨のミスが。これで6点近く失っています。試合前に、ミス無く滑りたいと話していた三原舞依選手。惜しいですね。
最後のビールマンスピンはきれいでしたね。すっと頭上に伸びた足と手、ブレない軸、回転速度も落ちず、プログラム最後の見せ場でした。
三原舞依選手の柔らかい演技に合った選曲で、17歳の三原舞依選手の若さ、柔らかさ、そういったものをうまく表現できる音楽だなと思います。
中国杯2016を制したのは、エレーナ・ラジオノワ選手。この日のフリーは久しぶりの会心の演技でした。冒頭の3回転ルッツ+3回転トーループの連続ジャンプ。二つ目のファンプで回転不足をとられたのと、次の3回転フリップで、微妙なエッジ!マークがつきましたが、あとは大きなミスはなく、135.15点。
それにしてもエレーナ・ラジオノワ選手は動きがしなやかになりました。大人の雰囲気も漂って、上半身の使い方に魅せられました。フィギュアスケートではお馴染みのトゥーラントッドでしたが、この曲ってブルーの衣装というイメージがありますが、ラジオノワ選手はピンクの衣装でした。しかもこの曲って女性の妖艶さを魅せる曲ではないような気がしましたが、ラジオノワ選手の女性の色気を醸し出すしなやかな動きは、ピンクの衣装とマッチして、また違ったトゥーラントッドでした。
演技構成点が69.65点だったのは驚きですが、確かに表現力で魅せてくれたので、これくらい出てもよしとする。
アメリカ大会で優勝したアシュリー・ワグナー選手。中国杯では総合で6位となり、ファイナルがちょっと怪しいですね。
この日のフリーは、ジャンプで回転不足をことごとくとられ、ステップアウトもあったりして、技術点が伸び悩み、総合点も今ひとつでした。しかし表現力が素晴らしく、演技構成点は68.56点だったのは頷けます。
今シーズンのワグナー選手のフリーは、ミューズの「The Resistance」。アメリカのジェイミー・アボット選手が以前使用したこともある曲で、メッセージ生の高い曲。現在25歳のワグナー選手だからこそ演じられる曲だと思います。こうみると、ワグナー選手は踊れる音楽の幅が広がったなと思います。以前はなんとなく、ワグナー選手のキャラにマッチしているのはポップな曲しかないように見えましたから。
最後に
三原舞依選手、中国杯2016は第4位でファイナル進出はなりませんでしたが、シニアグランプリデビューとしては、まずまずの結果でした。
本郷理華選手同様、次は全日本選手権ですね。
以上、フィギュアスケートグランプリ中国大会2016、女子フリーの結果と総評をしました。
女子ショートの結果
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男子の結果
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「金博洋パトリックチャン[動画]スケート中国杯2016男子SP結果」
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テレビ放送日程
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「スケートGP中国杯2016日程/テレビ放送/出場選手/結果予想」