フィギュアスケートグランプリシリーズ第3戦、ロシア大会(ロステレコム杯)2016の男子シングルショートプログラムが、4日にモスクワで行われました。
宇野昌磨選手が歴代3位という高得点で、現世界王者のハビエル・フェルナンデス選手を抑えて首位に立ちました。
宇野昌磨選手の演技を見た後に表示された得点を見て、どうしてこんなに高得点なのか、本人さえ驚きのリアクションでした。
動画と共に、ロステレコム杯2016の男子シングルショートプログラムを総評し、宇野昌磨選手がなぜあんなに高い得点が出たのか理由を分析しました。
GPSロシア大会2016 男子ショート結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | 宇野昌麿 | 98.59 | 54.28 | 44.31 |
2 | ハビエル・フェルナンデス(スペイン) | 91.55 | 45.47 | 46.08 |
3 | ミハイル・コリヤダ(ロシア) | 90.28 | 48.56 | 41.72 |
4 | オレクシイ・ビチェンコ(イスラエル) | 86.81 | 46.74 | 40.07 |
5 | シャフィク・ベセギエ(フランス) | 80.68 | 44.50 | 36.18 |
6 | エラッジ・バルデ(カナダ) | 76.36 | 39.18 | 37.18 |
7 | アルトゥール・ドミトリエフ(ロシア) | 76.06 | 40.67 | 36.39 |
8 | マックス・アーロン(アメリカ) | 73.64 | 37.14 | 37.50 |
9 | ゴルジェイ・ゴルシュコフ(ロシア) | 73.37 | 37.94 | 35.43 |
10 | 田中刑事 | 69.13 | 32.49 | 36.64 |
11 | アレクサンデル・マヨロフ(スウェーデン) | 67.80 | 33.51 | 35.29 |
12 | デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) | 62.40 | 28.15 | 35.25 |
宇野昌磨、高得点の理由は?
宇野昌磨選手のショートを演技を見て、おそらく多くの人が3つのジャンプの内、完璧に決まったのは最後のジャンプのトリプルアクセルだけだったので、あまり高得点は期待しなかったのではないでしょうか。
それが男子ショート歴代3位の98.59点という、まさに驚くべき点数でした。
ちなみに歴代1位は羽生結弦選手が2015年12月10日、グランプリファイナルで出した、110.95点。2位はハビエル・フェルナンデス選手が2016年1月27日に、ヨーロッパ選手権で出した102.54点です。
では宇野昌磨選手のロステレコム杯2016のショートを振り返って見ます。
演技冒頭の4回転フリップジャンプ。アメリカ大会でも綺麗に決めることができませんでしたが、この日も着氷でバランスを崩し手をついてしまいました。回転は足りているように見えたので、評価点の部分で減点されるだけだといいなと思っていました。
確かに4回転フリップと認定され、回転も足りていたのですが、何と減点がたったの-1.20。9人のジャッジの中で、2人のジャッジが減点0という驚くべき判定。お手付きして減点無しだと?
ジャッジの評価点は、-3、-2、-1、0、+1、+2、+3の7段階で、それぞれのエレメンツを評価されます。
宇野昌磨選手の4回転フリップジャンプの評価点は、
0評価のジャッジが2人
-1評価のジャッジが5人
-2評価のジャッジが2人
この結果、基礎点が12.30点の4回転フリップジャンプで、宇野昌磨選手は11.10点稼いだのです。
4回転トーループの基礎点が10.30ですから、11.10点という得点は、4回転トーループを成功させ加点をもらったときの得点と同じと言えます。
続いてのジャンプは、4回転トーループ+3回転トーループのコンビネーションジャンプでした。これは基礎点が14.60点という、大きな得点源です。しかし最初の4回転トーループで既に怪しかった。空中で軸が歪んだようで、着氷でかなり踏ん張って転ばないようバランスを保ったので、2つ目のジャンプに無理がありましたね。3回転トーループの着氷はステップアウトしてしまいました。
樋口美穂子コーチも、この連続ジャンプに首を傾げていましたね。
しかしながら、これまたローテンションはOKで、基礎点からの減点のみでした。
-1評価のジャッジが7人
-2評価のジャッジが2人
9人中7人のジャッジが-1のひょうかだったので、減点はわずか1.37点で済みました。結果この連続ジャンプで、宇野昌磨選手は13.23点も稼いだのです。
最後のジャンプ、トリプルアクセルは、完璧でした。イーグルからの難しい入りでしたが、きっちり着氷を決め、この日唯一の成功ジャンプでしたね。しかもショート演技の後半に跳んだので、基礎点が1.1倍になり、かつ加点も2.57もついて、11.92点でした。
あとは宇野昌磨選手のステップ、スピンは全てレベル4。特に最後のチェンジフットコンビネーションスピンで見せたヘッドレススピン。上げた手を胸元に引き込む動きが滑らか過ぎて、途切れがなく、う、美しい。このスピン見ると、それまでのジャンプミスなんて忘れてしまいます。
このスピンには、9人中7人ものジャッジが最高の+3という評価でした。
表現力を示す、演技構成点でも、44.31点という高い得点です。特に音楽の解釈・説明の項目では、9.00点!9点出せる選手って、ジャッジがこのスケーターは別次元、と認定したようなものですよね。ショートで9点代を出せると、全体の得点の底上げになり、かつ安定して高い得点を得られるようになるでしょう。
一方ショート2位のハビエル・フェルナンデス選手は、91.55点。宇野昌磨選手と7.04点の差があります。
ハビエル・フェルナンデス選手もジャンプミスがありました。2つ目、予定していた4回転サルコウが3回転になってしまうとう痛恨のミス。ステップでレベル4評価で、加点も1.70ありますが、その他の部分では、いまひとつ勢いがないというか、精細に欠ける演技でした。
ショートが91.55点という点は納得でした。
宇野昌磨選手がハビエル・フェルナンデス選手に7点以上リードし、歴代3位という高得点を出したのは、
- 基礎点の高いジャンプで、回転不足をとられなかった
- それらのジャンプで、減点を最小限に抑えた
- スピン、ステップでとりこぼしがなかった
- トリプルアクセルの高評価
- 演技構成点で9点代の項目
特に、1と2は大きいと思います。
最後に
98.59点は、宇野昌磨選手の自己ベスト更新でもあります。
キスアンドクライでこの高得点を見たとき、樋口美穂子コーチと宇野昌磨選手は目を大きくして驚いていました。きっと動画を見た多くの片も、同じようなリアクションだったのではないでしょうか。私もそうでした。
明日のフリーでは、宇野昌磨選手は7点のリードを守ることができるでしょうか。とにかく表彰台に登れば、ファイナル進出確実になります。
以上、宇野昌磨選手、点が出過ぎ?高得点の理由と動画、GPフィギュアスケートロシア大会2016男子ショート結果速報でした。
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