ヒストリア・ワーク

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村田沙耶香バイトしながら書いた力作『コンビニ人間』感想

      2016/07/18

"クレイジー沙耶香"こと村田沙耶香さんが、
コンビにでバイトをしながら書き上げた
「コンビニ人間」が、第155回芥川賞候補に
選ばれました。

そこで村田沙耶香さんの「コンビニ人間」の
感想レビューを書きたいと思います。

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クレイジー沙耶香

まず、”クレイジー沙耶香”との異名を持つ、
「コンビニ人間」の著者である村田沙耶香さんについて
紹介します。

1979年生まれで、千葉県出身の村田沙耶香さんは、
2003年に『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀賞受賞します。

そして2009年『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。

3度の三島由紀夫賞候補になりながら、
遂に2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で
第26回三島由紀夫賞を受賞しました。

すでに海外で翻訳版も出版されている売れっ子小説家ですが、
生活のリズムを保つためと、人間観察のため、
コンビニでアルバイトをしているのだとか。

そのコンビニアルバイト経験が、今回の作品『コンビニ人間』に
活かされているのでしょうね。

クレイジーとコンビニ

『コンビニ人間』は、主人公がなんとなく著者に重なるのです。

村田沙耶香さんが、”クレイジー沙耶香”と呼ばれるように、
主人公の古倉恵子も”クレイジー恵子”と読んでもいいかも。

世界観や物事を見る視点があまりにもユニーク過ぎて、
理解できない人たちもいるでしょうし、
そういう常識的な人から見ると、古倉恵子は、いわゆる、
「あの人頭おかしいんじゃない?」
となるでしょうし、
「精神障害者?」
とレベルつけしてしまうかもしれません。

そんな古倉恵子はきっとこの世の中で
生き難さを感じているのでしょう。

私は割とどこへ行っても、すぐに環境適応できるので、
古倉恵子とは違うな、などど芥川賞候補作品に図々しいことを
思ってしまいました。

”変な人”のレッテルを貼られた古倉恵子が
コンビニで働き始めたとき、今までの息苦しさ、
生き難さが一変します。

コンビニが古倉恵子にとってホームであり
あるいはオアシスになるのでした。

古倉恵子は、白羽という問題を起こし
コンビニを辞めさせられそうな男性に、
「コンビニで働くためには店員になること、
つまり人間という皮を被って、
マニュアル通りに生きればムラを追い払われることはない」
と助言します。

この『コンビニ人間』では、普通の人間たちを
古倉恵子は自分とは別の社会に住む人たちと
描写しています。

コンビニで働く前は、自分が生きる居場所がなく、
いつも社会の隅っこで息を潜めて生きてきた主人公が、
コンビニで働き始めて、始めて社会とのつながりというか、
一般的な社会の仕組みに、なんとなく自分が合わさっている、
そんな感覚を覚えるのです。

そうなればもう古倉恵子は、コンビニから離れることはできません。

古倉恵子にとって、コンビニで働いてると、
いわゆる普通の人間っぽく見られる、
そう感じることができるのです。

でも、そういうふうに感じることができるのが、
コンビニだなんて、ちょっと悲しい気もします。

まあ、人によって心地よい居場所は違うのですから、
たまたまそれが、古倉恵子にとってコンビニだった
ということでしょうか。

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コンビニ描写がリアル

村田沙耶香さんは午前2時に起きて小説を書き、
朝8時からお昼1時までコンビニで
アルバイトをしているということです。

コンビニで働く理由は、生活サイクルを保つため、
そして人間観察のためだそうです。

そしてそのアルバイトのおかげで、
この『コンビニ人間』に出てくるコンビニの描写は
実にイキイキしていますし、働いているからこそ分かる
裏の部分も、事細かに描かれています。

内部事情に精通した人でないと書けないのではないでしょうか。

生活サイクルのためなんて言いながら、
実際はこの小説を書くために、
コンビニでアルバイトをしていたのでしょうね。

最後に

さて、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』は、
第155回芥川賞を受賞することができるでしょうか。

選考は来月19日から行われるそうです。
↓ ↓ ↓
「芥川賞直木賞2016 受賞者会見と選考結果発表中継はここ!」

以上、第155回芥川賞候補に選ばれた
村田沙耶香さんの『コンビニ人間』の感想レビューでした。

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