吉野家が4月6日に復活させたあの豚丼が、わずか1ヶ月でを突破した。
今年度の販売目安を2千万食~2500万食と見込んでいたので、1/3を既に達成したことになる。
この大成功の理由は何だったのか、考えてみたい。
やっぱりその安さ
吉野家と言えば、やはり安くてボリュームがあって、そこそこ美味しい。
この豚丼も並盛が税込みで330円という価格。
これぞ吉野家という、期待を裏切らない値段とボリュームである。
豚丼のヒットは、価格面が大きく影響していると吉野家も言っている。
今の時代330円でお腹一杯になるレストランはそう多くはない。
安ければ不味いのかといえば、この豚丼、味も裏切らない。
よくご飯もので値段が安いと、やたら白米が多かったりする。
食べていると白米と具のバランスが崩れて、白米が残ってしまうか、
一口あたりの白米と具の比率が3:1などど、なってしまったりする。
そういう比率になることを見込んで、やたらと具が塩っぽかったり。
しかしこの豚丼は、このような悲惨なことは決してない。
値段、量、味がちゃんとそろっている。
健康面を考えると・・・
健康に対する意識が高まって、牛肉に対するイメージはあまりよくない。
今年3月に吉野家が「吉野屋の牛丼の具を3ヶ月連続摂取した際の健康影響調査」
なるものを発表した。それによると、吉野屋の牛丼の具を3ヶ月連続摂取しても、
健康への影響は無いと結論付けていて、吉野屋の牛肉へのイメージ改善への
涙ぐましい努力が伺えて、笑える。
この調査結果は人々の牛肉への考えを変えさせることはできなかった
(当たり前)。
しかし豚肉に対するイメージは悪くない。ビタミンBもたっぷりで、疲労回復には
もっていこいの食材である。
実際吉野屋もお客から豚丼という商品に対して高評価を得ている、と話している。
イラン人の知り合いは、イスラム教徒なので豚肉を食べない。
単に自分が食べないだけでなく、豚肉がいかに体に悪いか、自分の国で言われている
「科学的」な根拠を並べて力説していた。しかし牛肉は健康に悪くないらしい。
お国変われば、何とやら。
リピーター
吉野屋は2004年3月~2011年12月まで豚丼を販売していた。
というのも米国の牛肉問題で、牛丼の販売を休止していたからだ。
吉野屋と言えば牛丼なのに、牛丼が店頭から消えていたのだ。
そのとき豚丼を牛丼の代わりに食べた客にとって、豚丼が吉野屋の看板メニューだったに
違いない。
牛肉問題が解決し、米国からの安い牛肉が流通して、以前のように牛丼が戻ってきたのだが、
豚丼に慣れ親しんだ豚丼客にとっては、4月からの豚丼復活は、嬉しいニュースだったのだと思う。
「吉野屋は豚丼でなきゃ」
と思う客も多いのではないだろうか。
牛丼の価格が上がったので
アメリカの牛肉の価格が上がり、安くて美味いはずの吉野屋の牛丼の値段が上がった。
安くて美味しい吉野屋の牛丼の代替を、豚丼は担っているのだ。
安いから牛丼の代わりに豚丼を試したら、美味しかった。
やっぱり吉野家は安くて美味しくなきゃ、と客が豚丼に流れたのだと思う。
安くて美味いという、客の期待を裏切らずに済んだのは、豚丼のおかげである。
まとめ
安い値段、健康意識の高まり、以前食べたリピーター、牛肉の価格が上がったことが、
豚丼の大ヒットにつながったと思われる。
個人的には牛丼の方が、好きである。