ヒストリア・ワーク

読んだらちょっと幸せな気持ちになる

【ズートピア】なぜ黒幕は、犯罪に手を染めたのか?

      2016/06/09

話題の映画「ズートピア」を観て、もちろん主人公をジュディを中心に、めでたしめでたしのディズニー映画なのだが、そこに描かれているのは人間社会の縮図 ーー とは、他の人の感想レビューでもある話。
ここでは、多分この映画においてストーリーのキーパーソンである黒幕犯人にスポットを当てて、そのちょっと悲しい裏事情と、アメリカ社会(人間社会)について分析します。

Sponsored Link

犯罪動機

黒幕犯人はヒツジの副市長です。そこまでの経緯は、映画を観てのお楽しみにとっておいてください。

まずなぜ副市長が犯罪に手を染めたのか、を考えます。動機は何だったのか。

パワーハングリー、つまり権力が欲しかった。
副市長ですから、所詮市長のアシスタントです。仕事内容は雑用的なことばかりです。

市長はライオンで男性で、市民から親しまれています。

ここで既に差があるのです。
優しいヒツジ女とたくましいライオン男。
ヒツジとはキリスト教では優しいとか柔らかいとかそんなイメージがあります。
女性的なイメージで、悪くは無いように見えますが、しかしそういう人がリーダーに適しているかと言えば、多分答えはノーです。

なぜこの映画において、副市長がヒツジでなければいけないのかは、「【ズートピア】観る前に絶対知っておきたい!ポイント9つ」に詳しくあります。

ヒツジ女がトップになるのに、まともに市長選に立候補し、勇敢でたくましくかつ優しそうにも見えて、市民からしたわれているライオン男と選挙で真っ当に戦ったところで、勝負は見えています。

自分がズートピアでトップになるには、やはりこのライオン男の市長は邪魔な存在なのです。

権力を手にするには

上記にも述べましたが、ヒツジ女が権力を手に入れるためには、ライオン男と真っ向勝負したところで、勝てる見込みはほとんどありません。

ここは、この映画のメッセージである、ズートピアが人間社会を反映している部分です。
女性の社会進出が著しいアメリカでも、実際はまだまだ男性社会です。そういった社会問題を、ヒツジ女は象徴しているんだと思います。

そこで、副市長はまず、この市長を左遷させるための計画で、ジュディを利用したのだと思います。
突然凶暴になった肉食動物を隔離させることにより、ズートピア市民の10%しかいない肉食動物市民の評判を守る。
市長は自分もライオンで肉食動物ですから、自分自身の保全のためにも、この計画に乗ったのでしょう。
肉食動物は凶暴だという悪い評判が定着すれば、市長であり続けることはできませんから。

もちろんヒツジ女は、上記の理由から市長がこの計画(陰謀)にのってくるのは想定内でした。

そして凶暴になった肉食動物を隔離している施設を探しているジュディの手助けもするのでした。
ジュディに見つけてもらわないと、この計画は成就しませんから。

Sponsored Link

ガラスの天井

ヒツジ女の陰謀はうまく行ったかのように見えました。
ライオン市長は逮捕され刑務所送り。肉食動物の評判はガタ落ち。その代わりヒツジを含む草食動物は市民から信用されます。

邪魔な市長はいなくなったし、今までひ弱だったヒツジが、今権力を持とうとしている。

しかし、やはり実際の人間社会と同様、トップになろうとする女性がぶつかる物があります。
それは、

「ガラスの天井」

トップ(上)に行こうとすると、目に見えないガラスの壁があるのです。それ以上上に行けないのです。
日本語で言えば、出る杭は打たれる、とでも言うのでしょうか。これは、出る杭に対して性別は問いませんが、「ガラスの天井」は女性についてです。

ヒツジ女も、結局この「ガラスの天井」で頭をぶつけ、権力をものにすることはできませんでした。

やり方は間違っているけど・・・

確かにこのヒツジ女のやり方は間違っています。善良な市民であるカワウソに凶暴になる薬を投与していいわけがありません。ジュディの方が正しい。

しかし、小さくて非力なヒツジが力をつけ上へ行こうとしたとき、真っ向から勝負して勝てる確率はとても低いのが分かっているとき、他にどんな手段があったでしょうか。

そう考えると、女性の置かれた社会的地位に、心が痛みました。

最後に

人間社会の縮図ともいえるズートピアですが、希望もあります。
誰もが何にでもなることができる、それがズートピア。まさにそれこそアメリカンドリームではないでしょうか。

誰にでもチャンスはある。

そう信じさせてくれる映画でした。

*8月11日公開のGCアニメ「ペット」については「永作博美が猫になる!?アニメ「ペット」日本語版でクロエ担当」

 - 芸能・文化