フィギュアスケートのグランプリファイナルGPF2016の男子シングルショートプログラムが、8日にフランスのマルセイユで行われました。
首位の羽生結弦選手、100点超えでやってくれました。タラソワコーチもブラボーと絶賛でしたね。プロトコルを見るまでもなく、素晴らしい演技でした。
宇野昌麿選手とアメリカのネイサン・チェンはジャンプの失敗で4位と5位。パトリック・チャン選手が自己ベスト更新で2位につけています。
動画と共に、グランプリファイナル2016の男子シングルショートプログラムを総評し
グランプリファイナル2016 男子ショート結果
順位 | 選手名 | 総合得点 | 技術点 | 演技構成点 |
---|---|---|---|---|
1 | 羽生結弦 | 106.53 | 59.18 | 47.35 |
2 | パトリック・チャン(カナダ) | 99.76 | 52.66 | 47.10 |
3 | ハビエル・フェルナンデス(スペイン) | 91.76 | 47.45 | 45.31 |
4 | 宇野昌麿 | 86.82 | 44.38 | 43.44 |
5 | ネイサン・チェン(アメリカ) | 85.30 | 45.62 | 40.68 |
6 | アダム・リッポン(アメリカ) | 83.93 | 41.37 | 42.56 |
GPF2016 男子ショートプロトコルがすごい
男子ショートの一番滑走だったハビエル・フェルナンデス選手。やはり最初の滑走者というのは、独特の緊張感があるのでしょうね。1番滑走を苦手としているスケーターはたくさんいますが、ハビエル・フェルナンデス選手もその一人。
2本の4回転ジャンプを跳ぶ予定で、最初の4回転トーループ+3回転トーループは綺麗に決まったので、このまま波に乗るか、と思いましたが、次の4回転サルコウの着氷で大きく乱れてしまいました。顔が氷面ギリギリになるほどバランスを崩しましたが、お手付きはせず、ミスを最小限に抑えましたね。
しかし最後のトリプルアクセルで転倒したのは痛かったです。
今日のハビ選手、全体的にキレもなく、体が重そうでした。動きに感情がこもっていないのが見ていて分かり、唯一の見せ場はステップだけでした。ジャッジへのアピール感もなく、とにかく無難に終わらせたいような、そんな演技でした。見ていてちょっと残念。
アメリカのネイサン・チェン選手。この日も2本の4回転を跳ぶ予定でした。4回転ルッツと4回転フリップという超高難度のジャンプを2つ。しかし冒頭の4回転ルッツ+3回転トーループでは、最初の4回転ジャンプ着氷でステップアウト。なんとかコンビネーションにしましたが、マイナス評価になってしまいました。それでもここではミスは最小限に抑えましたね。
続く4回転フリップでは転んでしまい、回転不足判定。この二つのジャンプミスで約10点は失ってしまいました
4回転ジャンプに全ての神経を集中させているせいか、スピンやステップで取りこぼしが。
それでもネイサン・チェン選手は、試合後とに表現力は増しているように思えます。何といってもシニアグランプリ初参加で、伸び盛り。今はシニアでの経験を積んでいる段階でしょうね。おそらくネイサン・チェン選手が、近い将来アメリカ男子を引っ張っていく存在になると思うので、今はとにかく経験。
宇野昌麿選手、予定していた4回転トーループ+3回転トーループのコンビネーションジャンプの、最初の4回転ジャンプで転倒して、連続ジャンプにできませんでしたね。明らかにジャンプの高さがなく、回りきれずに両足で降りてしまいました。決まれば基礎点14.60点でしたが、結局2.20点しかならず、12点以上とり損ねています。
宇野昌麿選手のすごいところは、4回転フリップという難しいジャンプだけでなく、スピンやステップなど、トータルで素晴らしい。まさにフィギュアスケートに必要な全てを持ち合わせています。表現力もあって、踊れる幅が非常に広いのは、宇野昌麿選手の強みですよね。
この日の羽生結弦選手、動きがキレまくっていましたね。練習では完璧だったという4回転トーループ。ショート最初の4回転ループ、よく降りました。お手付きしてもおかしくないような、バランスを崩したランディングでしたが、両手をしっかり広げ、左足を後ろに伸ばし、しっかりバランスを取っていました。絶対に降りてやる、という気迫が伝わるようでしたね。
2つ目のジャンプは4回転サルコウ+3回転トーループのコンビネーションでした。これは完璧。そして最後のジャンプはトリプルアクセル。難しい入りから跳んで、そのまま流れで次の動きに入り、9人のジャッジの内4人が最高評価をくだしました。でも-3から+3までの7段階評価で、+1の評価をしているジャッジも一人いて、どうやったらあの素晴らしい3回転半ジャンプに、それだけの評価しかしないの?と不思議に思ってしまいます。
いつものようにステップでは会場を沸かしてくれて、レベル4なのはもちろん、9人の内8人のジャッジが最高評価。ステップだけで6.0点も稼ぐのは、羽生結弦選手だけでしょうね。今日のステップは神がかっていました。
この日のショートでは、羽生結弦選手は本当に体が動いていて、軽そうでした。怪我の具合も大分楽になったのでしょうか。悪化しないことをただただ祈るばかりです。
今シーズン初のショート100点超えをして、首位に立っています。
ロシアのタラソワコーチも羽生結弦選手の演技終了直後に、「ブラボー」と絶賛しています。 3:24辺りで、見事な巻き舌の「ブラボー」が聞こえます。3度も繰り返しブラボーを叫んでいるので、よほど素晴らしい演技だったかが分かりますよね。
パトリック・チャン選手は、今シーズンベスト、そして自己ベストを更新しました。なんといっても苦手なトリプルアクセルが、今日は綺麗に流れの中で決まりまったことが大きいです。いつも3回転半でくせんしているパトリック・チャン選手。そんなことが嘘のように素晴らしいトリプルアクセルで、加点も2.14点つきました。
冒頭の4回転トーループで着氷が前に詰まったようでしたが、3回転トーループにしっかりつなぎ、最後のジャンプである3回転ルッツも難なく跳んで、この日はジャンプミスがゼロでした。
羽生結弦選手もそうですが、評価点だけで合計10点も取るなんて、パトリック・チャン選手は本当にトータルパッケージですね。
最後に
ハビエル・フェルナンデス選手と宇野昌麿選手が土曜日のフリーでどこまで巻き返すのか、そしてパトリック・チャン選手はフリーでも自己ベストを更新できるのか。でも一番の注目は、やはり羽生結弦選手がフリーでどこまで点を伸ばせるのかですよね。
男子ショートのプロトコルを見ながら、羽生結弦選手の素晴らしさを痛感しますよね。
男子フリーは、日本時間12月11日(日)午前4時20分~5時17分です。
以上、フィギュアスケートグランプリファイナル2016男子ショートの結果と総評でした。
テレビ放送日程
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男子フリーの結果
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女子シングルの結果
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ジュニア女子シングルの結果
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