宮原知子なぜステップ無得点?GPスケートカナダ2016FP

December 11, 2016

10月29日に行われた、フィギュアスケートグランプリカナダ大会2016、女子フリーでは、宮原知子選手は126.84点、総合192.08点で3位に終わりました。

この日のフリーで、宮原知子選手はエレメンツの一つ、ステップがノーカウントされているんです。なぜステップが無得点と判断されたのか、理由を検証しました。

宮原知子のフリー

スケートカナダ2016では、全体的にジャンプの完成度、踏切のエッジを厳しくとられていたように見えます。

ですから低空ジャンプの宮原知子選手にとっては、厳しい得点になるだろうことは、ある程度予想されました。

昨日のショートでも、ジャンプの回転不足をとられて、得点は伸び悩み、5位という結果に。

この日のフリーでは、冒頭のジャンプ、3回転ループ、3回転ルッツ+3回転トーループは高さもあり、とても大きく素晴らしいジャンプで、加点が0.9点もつくという、宮原知子選手にとってはかなりの高評価をもらいました。ジャンプに力強さもありましたよね。

ショートではエッジエラーをとられたフリップジャンプでしたが、フリーのフリップジャンプでは、完全なエラーではなく、微妙な!マークで止まっていました。ですから減点も最小限の、-0.3でよかったです。ショートでも完全なエラーには見えず、!が妥当だと思いましたが。

後半のジャンプは、とても厳しく評価されて、回転不足を表す<マークがつきささりまくっていました。

後半の一番の点稼ぎ頭、3回転ルッツ+2回転トーループ+2回転ループで、最初の3回転と最後の2回転で回転不足をとられたのは、痛かったです。最後の2回転ループは肉眼でも分かるくらいの回転不足でしたね。

しかし突必すべきはスパイラルです。150センチの小柄な宮原知子選手が、とても大きく見える、見栄えのする素晴らしいスパイラルだったと思います。小柄な分、手足もそんなに長いわけではないでしょうが、全身を大きく使って、華のあるスパイラルでした。

最後の〆は、やはりあの逆回転スピンです。あれで会場の盛り上がりは一気にマックスに。スタンディングオベーションをしている人もいました。

あの白い衣装は、宮原知子選手によく似合っていると思います。宮原知子選手の透明感がよく表現されていて、細い体から繰り広げられる、一つ一つの動きが、大きく見えます。

今シーズンのフリーでは、宮原知子選手は安定して130点以上をとっているので、この日はなぜ126.84点と低いのかと思ったら、なんとステップがノーカウントだったんです!

つまり無得点。

宮原知子選手は、先月に行われたUSインターナショナルクラシックで、フリーの得点は、136.66点。ステップはレベル4の評価で、基礎点3.90点に加点が1.4点で、計5.3点でした。

しかし、この日は0点。ゼロ。

つまり5点以上、失っているわけです。

理由は、宮原知子選手がステップを踏むとき、リンク幅を大きく使っていなかったことだと思われます。

ストレートステップシークエンスのような、リンクを縦に端から端まで一気に駆け抜けるようなステップに見えますよね。途中で一度リンク横へ向かって円を描くようにステップをしていますが、全体的にストレート。スピードがあったので見応えはありましたが、ルール規程には沿っていません。

いいかえれば、「ステップのターンが少ない、小さすぎた」です。

スケートリンクは60mx30mです。

長辺フェンスから長辺フェンス(30メートル幅)なら2回、短辺フェンスから短辺フェンス(60mの長い方)なら1回リンクをいっぱいに使わなければならず、これよりも小さいと無効となります。

このルールが想定するのは、昔のサーキュラーステップシークエンスのように、リンク全体を円を描きながらステップを踏むことだと思われます。

宮原知子選手の全体的にストレートだったステップは、無効とみなされ、ノーカウントとなったと考えられます。

「最近、この手のストレートのステップ見ないよなぁ」って、宮原知子選手のステップを見たとき思いました。でもまさかノーカウントになっているとは・・・。

これって、振り付けのニコールのせい？

ちょっと納得のいかない結果となった、宮原知子選手フリーの結果でした。あのステップがカウントされていたら、たとえ他のジャンプで回転不足をとられても、130点以上はあったわけですから。

このステップ、次回の試合に向けて大きな課題ですね。

以上、スケートカナダ2016フリーで宮原知子選手のステップがノーカウント！理由は？という話題でした。