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本屋大賞受賞!宮下奈都の『羊と鋼の森』皆の感想レビュー

今年2016年の本屋大賞受賞作に、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』が決まりました。書店員が読者に読んでほしい本、ベスト1ということですね。こんな栄誉ある本屋大賞受賞を受賞したことに、宮下奈都さんは「知名度の低さでは抜群」などとコメントしていますが、さて受賞作である『羊と鋼の森』とはどんな小説なのでしょう。読者の反応は?まとめてみました。

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本屋大賞とは?

本屋大賞は、書店員自ら一番売りたい本を選び、書店売り場からベストセラーを出そうと2004年にスタートしたもので、今回で13回目を迎えます。既に10年以上の歴史がある賞なわけですね。
ちなみに第一回は、小川洋子さんの『博士の愛した数式』が受賞しています。エントリーした299人の書店員の中から、191人が一次投票、93人が二次投票を行いました。初回だったこともあり、全国各地の書店では、書店員が「本屋大賞」のフェアを開催するなど積極的に受賞作を推奨、販売したそうです。

宮下奈都さんは、授賞式でずいぶん謙遜的な回答をしていますが、本屋受賞作『羊と鋼の森』は、今年1月の直木賞候補としてもノミネートされたそうで、もともと評価の高かった作品だったと言えます。

『羊と鋼の森』は、北海道の山村で育った17歳の青年・外村がピアノ調律師をめざして、調律師として、そして人として成長していくという内容です。高校2年の時高校の体育館でピアノ調律師に出会い、自分もピアノ調律師になろうと決めますが、彼はピアノを弾くことはできませんし、音感が優れているわけでもありません。不安を抱えながらも周りに励まされながら夢を目指します。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

みんなの感想レビューは?

優しい気持ちになれる物語と評されているように、みんなのレビューでは、星5つ中4.2(Amazon.co.jpより)という高評価です。
「音にまつわる、美しい、そして優しい物語」、「分かりやすい言葉や表現で、伝わるものがある」といった内容のレビューが多かったです。
静かな森で、静かな気持ちで読むに相応しい小説。

中には「嫌な人が出てこないので、優しい人になれる気がした」というレビューもあるように、悪役がいない。みんないい人。だからこそ、清いイメージがある「森」とか「ピアノ」とか「音」が登場するのでしょう。
だからといって、調律師になるのに葛藤が全くないというわけではありません。上記にもあるように外村はピアノが弾けませんし音感があるわけではありません。一見すると才能なんて全く無いように見えてしまいます。
しかし音楽ではなく、音に魅せられて、その世界に入ると決心するわけです。もうこうなったら、自分に才能があるかないかなんて気にしている場合ではありません。才能よりもっと確かなものを、探り当てていくんです。

調律師を本職としている人からすれば、現実とは違うという意見もあるようですが、まあ、これは小説です。許してください。

何人かの人が指摘しているように、素晴らしい小説だが、大きな賞を取るにはインパクトが無いのでは?という感想も見られました。
確かにある意味物語が綺麗過ぎて、返って共感できない人もいたり、内容が清過ぎて悪い人が出てこないと、インパクトに足りないこともあるのでしょう。
しかし、今回本屋大賞を受賞したということは、その綺麗過ぎることが、返って現代人に受け入れられた、ということかもしれません。

最後に

晴れた日の静かな午前中に、あるいはのんびりとした午後に、外で風に吹かれながら読みたい一冊です。

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