フィギュアスケート世界ジュニア選手権もいよいよ終盤、今日は女子シングルのフリーが行われました。先日のショートで同点2位の本田真凜選手がフリーで今季最高の演技をして優勝。2010年以来の日本人女子優勝でした。本田真凜選手のフリーはとても素晴らしかったのですが、2011年からずっとロシアの選手がこのタイトルを独占してきた中、何が彼女を優勝へ導いたのでしょうか。フリー演技後の優勝インタビューの様子も踏まえ、考えていみたいと思います。
ジャンプは全てパーフェクト
ジャンプは大きく流れがあって、全てのジャンプに大きく加点がついていました。疲れが溜まる後半の後半に2A+3Tの難しいジャンプをして、加点は1.10点ももらっているので、かなり体力のある選手なのでしょう。ボーナス点がもらえる後半にジャンプをするなら、難しいものは後半に入ってすぐ跳ぶことが多い中、終盤も終盤にこのジャンプを跳んでしっかり決めて加点を大きくもらって。しっかりトレーニングを積み重ねたのだろうと思います。回転不足もとられず、しっかり回って下りてきているのが、スローモーションでなくても普通に見て分かるほど、きれいなジャンプでした。
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実は友陣、本田真凜選手がこんなにジャンプで評価されるとは思っていませんでした。というのも、スピードのある力強い演技が印象的な樋口新葉選手と違い、どちらかというと軽やかでふわっとした演技をする本田真凜選手なので、加点はそこまでもらえないだろうと予測していました。しかし実際に彼女のジャンプを見て、力強さやキレというより、放物線を描いて幅がある美さに、ジャッジはきっと点数を出しているのだろうと思いました。
指先まで意識して表現
本田真凜選手が力を入れている表現力。今日のフリーでもしっかりそれが表れていました。腕や肩、顔の表情、指先までしっかり意識したその表現力で、ノービスから上がったばかりのジュニア1年目にして、演技構成点58.58点とは素晴らしい得点です。この年齢で既にこの表現力。年齢を重ねて、色々な人生経験を重ねて人生に深みを増したら、もっともっと素晴らしい表現者になるのでしょうか。楽しみでたまりません。
強豪ロシア勢の棄権
ショートでは今シーズンのロシアジュニア一番手のポリーナ・ツルスカヤ選手が、フリーではショート1位のアリサ・フェデチキナ選手がそれぞれ棄権しました。上二つがポッソリ抜けたことにより、本田真凜選手にとても有利な状況となりました。こういう状況の中、それをチャンスとしてしっかり結果を残せた本田真凜選手は、メンタルでもタフといえるのではないでしょうか。有利な状況だと返ってそれにプレッシャーを感じ、自滅する選手もいるわけですから。
優勝インタビューでは普通の14歳
フリーの後の優勝者インタビューで、「最後にこのタイトルをとった日本人を知っていますか?」と尋かれ、知らないと答えた本田真凜選手。2010年の村上佳奈子選手です。当時何才でしたかと尋かれ、まだ8歳だったらしい。でもフィギュアスケートを何年もしているんだから、それくらい知っとけよ、と思ってしまいました。この優勝を誰に一番に知らせたいかという質問には、先生(濱田コーチ)に、あでもそこにいたから知っているか、と自分で気づき、「みんなに」と訂正していて、普通の14歳の女の子らしさも垣間見えました。
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来シーズンは?今後は?
本田真凜選手は来シーズンはシニア参戦するのでしょうか。年齢制限があるので、シニアのグランプリシリーズしか出場できませんが、もしかしたら。それとももう一年しっかりジュニアで実力と実績をつけるのでしょうか。もう既に来シーズンの活躍が楽しみです。