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羽生結弦ショート1位 世界フィギュア プレッシャーを乗り越えて

羽生結弦が吠えた。ショートプログラムを終えると、1位であることを確信したかのように大きな声で叫んだ。世界記録のプレッシャーに勝った瞬間だ。

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ジャンプ全て完璧

冒頭の4回転サルコウジャンプ。完璧だった。ジャッジも満点をつけた。加点は最高得点の3点。完璧過ぎて見ているほうは、何が起こったのか分からないくらい。凄いのため息すら漏れてしまった。

続く4+3ジャンプ。回転の速い4トーループからの3回転トーループ。完璧にランディングすると満員の会場から大きな拍手がおこった。ショパンのピアノの静かな音楽に、観衆たちも静かに羽生結弦選手の演技を見守る。この連続ジャンプの成功で、完全に空気は彼のものになった。相変わらず会場はショパンの静けさだが、世界記録のプレッシャーを羽生結弦選手と一体になって感じている様子だ。

そしてボーナス点の貰える後半のトリプルアクセルも完璧に決めると、誰もが確信した。他の選手を上回る、100点をきっと越えてくると。羽生結弦選手はプレッシャーに打ち勝ったと。

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軸のブレないスピンとスピードのあるステップ。一つ一つの動きが大きいのでステップだけでお腹が一杯になりそうだ。

勝ったものは

フィニッシュのポーズを決め演技が終わると、羽生結弦選手は大きく叫んだ。会場の拍手でその声は消されてしまったが、彼が勝った瞬間だ。

何に勝ったのか。

もちろんそれは、プレッシャーだろう。2試合連続世界記録を更新していることへの、周囲からのプレッシャー、自分自身へのプレッシャー。勝つことが当たり前になった選手しか、感じないプレッシャーかもしれない。

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世界記録を更新したNHK杯後のインタビューで、羽生結弦選手は、数日後に迫るグランプリファイナルへのプレッシャーについてこう答えている。
このプレッシャーは、世界記録を出した人しか味わえない、と。だから自分は幸せなのだということを示唆していた。

表現力もダントツで

表現力示す、演技構成点も49.04点。満点が50点になるので、この点数がいかに高いかが分かる。しかもパトリック・チャン選手の47.21点を2点近く上回っている。緊張のピークにあるなかで、あれだけ見るものを惹きつけたショパンである。高得点は当たり前だろう。特に演技力点は、10点満点中9.93点。満点に等しい羽生結弦選手の演技力である。

まだ試合はフリープログラムを残している。このフリーでも羽生結弦選手は勝たなければいけないものがる。やはりそれは2試合連続世界記録を更新していることへプレッシャーだ。しかしこれは、彼しか味わうことのできない、次元の全く違う世界のプレッシャー。

もしかしたら羽生結弦選手は、今その境地にいることに感謝し、幸せを感じているのだろう。

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